一つ屋根の下、女ふたり犬猫の仲。

ぴあフィルムフェスティバル2001で企画賞を受賞し、8mmながらもレイトショー公開されて話題を呼んだ『犬猫』を、井口奈己監督が自身の手でリメイク。身近にいる犬や猫のように、普段の生活の一コマを切りとって綴った『犬猫』。殴り合いや号泣はないけれど、“ヨーコとスズ”というふたりの女の子の微妙かつ絶妙な関係の変化を、日常の風景としてさりげなく描いています。主演にはテレビを中心に活動してきた榎本加奈子が今までのイメージをガラリと覆すヨーコ役に挑戦。スズ役には女優･ミュージシャン･モデルと様々なフィールドで活躍する藤田陽子。 ヨーコの元彼にしてスズの彼･古田に、映画『Dolls』の西島秀俊。ヨーコがひそかに想いを寄せるちょっと不思議な男の子･三鷹に、『リリィ・シュシュのすべて』や『GACHAPON』など躍進をつづける忍成修吾。さらに、ブラウン管で見ない日はないという活躍ぶりを見せている小池栄子が、スズとヨーコの共通の友人役として友情出演している点も見逃せません。そして、くるりのライブ｢百鬼夜行｣でもゲストアーティストを務めた湯川潮音が自身の作詞･作曲による「うしろ姿の人」を本作のために書き下ろしました。エンドクレジットを締めくくる、その“天使の歌声”に作品の余韻はさらに深く印象づけられます。誰もが感じる「大切な瞬間」を丹念に積み重ねた良作品！

タワーレコード （2009/04/08）