前作『フォトン』から実に約2年半振りとなるアルバム完成!エレクトリックをGOSPEL/ROCK/DUB/PUNK他、様々なジャンルに通過させた唯一無比なサウンドは約2年半の間に更に濃度を増し、日本のみならず世界でも大きな話題になった脅威の1stアルバム『OUT LOUD』を遥かに凌ぐ内容!今作で又世界標準が変わるでしょう!
タワーレコード(2009/04/08)
〈エレクトリック・マイルス〉やジャズ/プログレッシヴ・ロックに呼応しつつ、内面世界を探求した前作『PHOTON』から約2年半。その間、探求から実践へとモードを切り替えながらライヴを重ねてきたBOOM BOOM SATELLITESが、目の当たりにしたオーディエンスの熱狂的で切実なリアクションに応えるべく、東京レコーディングによる新作を完成させた。欲しかったのはコレだろ!と真っ正面から提示するのは、アンディ・ウェザオールがトゥー・ローン・スウォーズメンの『From The Double Gone Chapel』で展開していた世界観を彷彿とさせる、気持ち良くも後ろめたくもあるロックンロールの破壊衝動だ。ほら、やれよ!やっちまえ!!と、ノーガードの状態で展開されるブレイクビーツの壮絶な打ち合いを前に、血湧き肉躍り、快楽指数はレッドゾーンへ。ただし、そこはただ踊る/らせるためではなく、よりよく生きるためにブレイクビーツを生み出し続けてきた彼らのこと。束の間の快楽を得た後にやりっ放しで使い捨てられる粗悪品を作ろうはずがない。真の快楽を極めに極めた本作にあって重要なのは、メロディー・セクストンの起用に象徴されるゴスペルの要素だ。すべてを許し、暖かく包み込むようなゴスペルの浄化作用的側面があってこそ、どこまでもハイな世界に行けるし、そこでエネルギーを得て、また日常へと帰っていけるのだ。そうあってほしいという思いが込められた本作は、安易に〈ロッキン・ブレイクビーツ〉と形容される作品ではない。ここには魂があり、ロックンロールがある。
bounce (C)小野田 雄
タワーレコード(2005年04月号掲載 (P64))
デビュー当時から考えると随分ロック/ポップス寄りの表現方法にシフトしてきたBOOM BOOM SATELLITES。ほぼ全曲にヴォーカルが入り、ヘヴィー・ロックばりのダイナミズムが渦巻く楽曲群からは〈最新型ロック〉という印象も受け、さぞやその手の音を好む人たちからは好意的に受け入れられるだろうこの新作『FULL OF ELEVATING PLEASURES』。そんなことを言うとハードコアなダンス・ミュージック・フリークから敬遠されてしまいそうだが、じっくり耳を傾ければ、丹念に、そして緻密に積み上げられた音に引き込まれるまで、さほど時間はかからないはずだ。スリリングに疾走するドラム・ブレイクス、トランシーなシンセの響き、エレクトリックなベースライン、歌としてだけでなく、時としてサウンドを構成する素材の一部としても機能しているヴォーカルなどが、効果的にロックの持つ肉感的なサウンドと絡み合ってカタルシスをもたらしてくれる。ボディーソニックなビートと乱打されるスネア&ハットが否が応にも衝動を駆り立てる“Moment I Count”、ローリング・ストーンズ“Sympathy For The Devil”を彷彿とさせるコーラスとシンセ、ギターが織り成す眩いサイケデリアのシャワーが印象的なロックンロール“Ride On”と続く中盤の流れは圧巻で、軽い疲労を覚えるほどの緊張感だ。また終盤には、緊迫した音と対峙した身体をいたわるかのようなアンビエント・タッチの曲が配置され、家にいながらクラブにいるかのような体験をさせてくれる。ロックからクラブ・ミュージックまでの広域を呑み込むこの完成度、世界を視野に入れたドデカいブレイクも必至でしょう!
bounce (C)青木 正之
タワーレコード(2005年04月号掲載 (P64))