その柔軟な音楽性と破天荒な歌声、そして包み込むような優しさで、聴く者の耳を奪ってやまない天才シンガーソングライター、二階堂和美。2003年秋に初めて行ったアメリカ西海岸ツアーの模様を、DVD1枚+CD2枚のBOXに完全収録!このUSツアーは、USインディー界の良心“K”レーベルのジャパン・ツアーのフロント・アクトに起用された二階堂和美が、“K”のボスであるキャロヴィン・ジョンソンやフィル・エルグラム(The Microphones)らに熱望されて実現したもの。1ヶ月23公演にわたるツアーは、スケジュールが延長されるほどの人気を博し、圧倒的な評価を得ることに。
CD-1には、その全23公演の中から選りすぐりの楽曲をセレクト。未発表新曲、カバー・ソングなど、これぞ「ニカ・ベスト」といった内容に。
CD-2には、“K”レーベル所有のスタジオや、フィル・エルグラムのスタジオにおいて録音されたトラックを収録。アメリカの気のおけない仲間達と作り上げた二階堂和美の“生”の姿を記録した「ニカ・ドキュメント」的内容です。
DVDには、ツアーに同行した映像作家・浅井真理子の手による約1時間にわたる映像を収録。ライブ映像だけでなく、音楽仲間達との交流などを綴ったロード・ムービー的な仕上がりになっています。
これまでアンダーグラウンドを中心に活動してきた彼女の第1期総集編ともいえる作品であり、天才の全貌を知る上でも最適の作品です!
タワーレコード(2009/04/08)
二階堂和美が2003年11月に行った米国ツアーの記録を映像=DVD1枚、サウンド=CD2枚というヴォリュームで収録した、装丁も美しいボックスセットが出た。まる1か月の滞在の中、23か所でのライヴというハードな行程でありながら、その合間にレコーディングを行い、観光もこなす。歌い、踊り、食べ、遊び……の彼女を収めた映像が特に素晴らしい。ステージやスタジオ以外のすべての瞬間にも音楽が満ち溢れている。二階堂和美の表現は壊れた蛇口のようで、その才能に気づいたものは、何とかしなければとバケツを用意する。そのひとつがこの3枚組だ。この器の容積があって、初めて表現できる二階堂和美、というものが確実にある。ライヴ映像の冒頭で歌われる「赤毛のアン」主題歌をもじれば、〈♪歌っても歌っても終わらない歌の波……〉。そんな無限音楽旅行を堪能していたら、旅の終わりにグッと来ました。
bounce (C)安田 謙一
タワーレコード(2005年04月号掲載 (P67))