俳優、コメディアン、詩人とマルチに活動するヒップ・ホップ・アーティスト、モス・デフの6年ぶりのセカンド・ソロ・アルバム。カニエ・ウエスト、ミネソタ、イージー・モー・ビー、ラファエル・サディーク、モレクルズら、多彩なゲストを迎え、独特のライムを聴かせる。 (C)RS
JMD(2010/09/30)
99年のソロ・デビュー以来、5年ぶりとなるセカンド・アルバムをリリースしたモス・デフ。いきなり耳に飛び込んでくるディストーション・ギターの唸りに面食らえど、彼のマルチな才覚を思えば、このロックで、ソウルで、ファンクで、ブルースな、アクの強い黒々サウンドにも納得がいく。メインストリーム寄りだった盟友タリブ・クウェリの近作『The Beautiful Struggle』とは対極にある、まさしく〈オルタナティヴ〉なヒップホップを展開しています。カニエ・ウェスト、ラファエル・サディークらによるトラックの上で際立つラップ、はたまたジェイ・Zやマーヴィン・ゲイをネタ使いしたストリート感ある楽曲で魅せるフロウはヒップホップ・ファンの頭を頷かせること必至! 恐らく好き嫌いが分かれる一枚ですが、溢れ出るアイデアやセンスを余すところなく落とし込んだであろう懐の深い音楽性が格別におもしろいのは間違いありません。
bounce (C)池谷 昌之
タワーレコード(2004年12月号掲載 (P69))