アメリカを代表するヒップ・ホップ・アーティスト、エミネム。2004年発表の通算4枚目のアルバム。D12、50セント他がゲスト参加。ブッシュ批判の「モッシュ」、整形疑惑や幼児虐待疑惑を揶揄する内容だと、マイケル・ジャクソンにPVを訴えられた「ジャスト・ルーズ・イット」他、全20曲を収録。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
表題だけ見ると前作『The Eminem Show』の続編っぽいが、ドクター・ドレーがおよそ15年ぶりに手掛けたエレクトロでもある先行シングル“Just Lose It”で思い出したのは、99年のファースト・ヒット“My Name Is”だった。わざわざマイケル・ジャクソンまでネタにして下世話ぶってみせるのは、肥大化した〈エミネム〉というキャラを偽悪的な初期設定に引き戻す意図があってのことかもしれない。トラック面ではドレーがエミネムに合うイメージの好曲を量産している一方で、エミネム自身はマルティカの“Toy Soldiers”ネタや、ハート“Crazy On You”の早回しといった暴挙を奏功させている。そして、D12やネイト・ドッグ、スタット・クオらの身内ゲストを随所に絡めつつ、ドレー&50セントとの最強トリオでタイトに迫るシメの“Encore”(後味のよろしくないオチ付き)まで、マイクだけでガッチリとエンターテインする芸人ぶりは今回も逞しい。
bounce (C)出嶌 孝次
タワーレコード(2004年12月号掲載 (P67))