2004年に結成10周年を迎えたUKパンク・ロック・バンド、マニック・ストリート・プリーチャーズの通算7枚目となるアルバム。ポップ感の中に甘い哀愁を添えた作品には、大御所トニー・ヴィスコンティが参加。「ザ・ラヴ・オヴ・リチャード・ニクソン」「フラグメンツ」他、ボーナス・トラックを含む14曲を収録。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
マニックスの通算7作目のオリジナル・アルバム!グランジ、ブリットポップ、ダンス・ミュージックと移ろう中、いつの時代もロックンロールで生き抜く彼ら。本当のロックとは何なのか?答えはマニックスの音の中にあります。プロデューサーはデヴィッド・ボウイ等で有名なトニー・ヴィスコンティ。
タワーレコード(2009/04/08)
ブリット・ポップ期のポール・ウェラーしかり、UKの新興ムーヴメントの裏にはヴェテランの奮起がある。今年の新世代UKシーンの加熱っぷりの影にも、フランツ・フェルディナンドが師と仰ぐモリッシーの大復活祭があった。だが、キーンやホープ・オブ・ステイツが祝福されるいまこそ、マニック・ストリート・プリーチャーズには彼らにとってのアニキ的存在になってほしい、そう願わずにはいられない記念碑的傑作が登場した。ベスト・アルバムを経てリリースされたマニック・ストリート・プリチャーズの通算7作目『Lifeblood』は、パンキッシュな前作『Know Your Enemy』のような荒々しさを削ぎ落とし、中期の名作『Everything Must Go』の頃に回帰、そして凌駕する圧倒的スケール感に包み込まれている。無限の拡がりを見せる“1985”や“Empty Souls”といった楽曲たちに象徴されるような、ストリングスと瑞々しいポップ・メロディーが織り成す奇跡的な一体感。若気の至り丸出しなデビュー時の〈アルバム1枚で解散〉宣言や、カリスマ的ギタリストの悲劇的欠落といったトピックを含む、15年間の〈苦節〉があったからこそではあるけれど、メロディーやサウンド、そしてその声のひとつひとつにこれほどまで美しすぎる〈深いシワ〉を、果たしてすべてのバンドが刻むことができるのだろうか。それこそがコールドプレイやキーンといった新世代の〈清純派〉に与えられた必須命題であり、それほどに高いレヴェルで語られるべき〈人生のオーケストラ〉なのである。
bounce (C)加賀 龍一
タワーレコード(2004年11月号掲載 (P68))
このバンドのことをちょっと甘く見てはいけない。というより、このバンドはもっとウェールズという土地と絡めて語られないとダメだ。いまだに一般的には90年代以降のUKロック・シーンの代表格アーティストというイメージがあるのかもしれないが、前回の来日公演時に久々に取材をして、いまさらながらに痛感させられたものだ。彼らはUKではなくウェールズに生きているのだと。カーディフの音楽シーンがまるでグラスゴーやシカゴのようにどんどんおもしろくなってきているなか、彼らはウェルシュの血、誇りを決して失ってはいない。なんといってもタイトルが『Lifeblood』なのだから。約3年ぶりのニュー・アルバム。トニー・ヴィスコンティが3曲をプロデュースしていることが早くも話題にのぼっているが、ここではスーパー・ファーリー・アニマルズなどでもお馴染みのグレッグ・ヘイヴァーがほとんどの曲を手掛けていることのほうが重要だろう。翳りを帯びたメロウな旋律が強調された楽曲が多く、全体的に彼ららしいドラマティックな仕上がりになっているが、このジリジリとした熱さは、やはり自分たちのアイデンティティーそのもの、すなわちイングランドと闘う国=ウェールズ出身であることを証明するものだ。スミスへの感謝の思いを滲ませた“1985”などからは、カーディフで結成された頃のまだ青かった彼らの横顔が見えてくる。こうした姿勢を一言〈政治的〉と片づけてしまうようなリスナーにだけはなるな、そう警告しておきたい。
bounce (C)岡村 詩野
タワーレコード(2004年11月号掲載 (P68))
いきなり、M①『1985』で20年前にタイムスリップしています。
しかし、ラストM⑫『CARDIFF AFTERLIFE』では新たな方向性を暗示しているかの様です。