2001年発表の『ヴェスパタイン』に続く、アルバム。人間の口から発せられる"ヒューマン・ビートボックス"のみでサウンドを構成、録音された、ポップ・ミュージックの常識を覆す衝撃作!フェイス・ノー・モアの鬼才、マイク・パットン、ソフトマシーンなどの活動で知られるカンタベリー界の仙人ロバート・ワイアット、日本人ビートボックス・アーティストのDOKAKAらが参加。全音楽をスピリチュアルに仕立てるビョークの芸当が、ビート・サウンドからア・カペラまで、人の声というシンプルな音楽の原子に頼る事で、崇高な美しさを編み出している。 (C)RS
JMD(2011/05/12)
前作『ヴェスパタイン』から3年ぶり、ビョーク5作目のオリジナル・アルバム!!
ビョーク本人のプロデュースによる本作では、楽器を使用せず“ヒューマン・ビート・ボックス”のバックのみで制作。メタルからプログレ、ヨーデルまで、何でも自分の声のみで表現してしまう“ビートボックス”アーティストのドカカ、元ルーツのラゼル、マイク・パットン、ロバート・ワイアット、アイスランドのコーラス隊らが参加!ベースライン、トロンボーン、ビート・サウンドから孤高のアカペラまで、とことん“人間の声”に執着したユニークな作品!
タワーレコード(2009/04/08)
頭だけで物事を考えていると徐々に不安が蓄積し、自分が透明に思えてきて、堂々巡りに陥りやすい。でも身体を使い、鼓動が脈打つのを感じると、不安は消えて自分は確かになり、明日を信じられる。身体と心は繋がっている、想像以上に──ビョークの新しいアルバム『Medエulla』はそれを音楽で露わにしていて、〈声〉という彼女にとって最大の個性を存分に活かし、アカペラやヴォーカルを前面に押し出した音作りで、アイスランドのコーラス隊をはじめ、マイク・パットンやラーゼルらと共演して作り上げている。「筋肉や血や肉を感じ取るようなアルバムを作りたかった」と彼女自身が言い、自分の身体で表現しきることに挑戦した。結果、余計なものが削ぎ落とされてメッセージはクリアになり、目には見えない命の鼓動までも感じさせ気高く美しい。この不安だらけの社会の中で生き抜く術を伝え、生きてることの喜びを強く確認させてくれる作品だ。
bounce (C)和田 靜香
タワーレコード(2004年09月号掲載 (P71))