ヒップホップとオルタナティヴをつなぐ唯一無二のスーパー・グループ“ビースティ・ボーイズ”前作より5年振りのリリース!! 間違いなく今年最大級のリリース&これからの音楽/カルチャー・シーンの新たなる指標となる最重要作品!彼等ほど現在の音楽シーン、カルチャー・シーンに広範囲で影響を与え続けるアーティストはいない! まさにアーティストとしての“理想”のロール・モデルを地で行く、特別な存在…それがビースティ・ボーイズ。アルバムごとに時代を先取りした音作りをしてきた彼等。今作もシーンになんらかの指標を示すこと間違い無し!
タワーレコード(2009/04/08)
活動休止期間を経て、スタジオ・アルバムとしては98年の『Hello Nasty』以来となる久々の6枚目。音楽活動的にも、政治社会情勢的にも、居ても立ってもいられない状況があったのだろう。マンハッタン/ブロンクス/ブルックリン/クイーンズ/スタッテンアイランドを指す呼称をタイトルに掲げ、在りし日のロウワー・マンハッタンが描かれた新作は、NYとヒップホップへの愛情満タン。2003年には反戦歌“In A World Gone Mad”がネット配信され、新作にもシリアスなテーマも数曲。しかし、実際次第に楽しみを感じながら制作に打ち込めたようで、ずーっとしかめっ面の重い内容でもない。重いのはサウンドだ。ビートがとにかくヘヴィー。売れっ子エンジニア=ケン・デュロ効果もあってか、ドラム/ベースがドスドス響きまくり。&ラフな処理もツボにハマる。しばらくスルーしていた往年のファンもカムバックしてきそうだ。パーティー型の“Triple Trouble”なんて最高に親しみやすい。とはいえ、“Time To Build”のストレンジな風合いや“Crawlspace”のベースが導く浮遊感、“We Got The”のやんちゃなテクノ気味の展開など雑種的な遊びもイキていて、例えば単に『Paul's Boutique』の頃を思い出すだけのものではない。90年代に身の回りに散らばったさまざまなアイコンを一掃して、シンプルな姿勢で挑んだ新作は聴き応え十二分。やっぱスゲーな、と思った。
bounce (C)栗原 聰
タワーレコード(2004年06月号掲載 (P64))
前々から、全曲ヒップホップとの噂だったビースティ・ボーイズのニュー・アルバム。一言で言ってしまえば、〈オールド・スクール・ヒップホップ・ミーツ・エレクトロ〉といった感じで、やはり全編ヒップホップであった。タイトルからして『To The 5 Boroughs』(〈5ボローズ〉とは、NYの5つの地区のこと)と、地元NYへのオマージュで満ち溢れているこのアルバムは、サウンド的にも3人のルーツであるオリジナルのNYヒップホップに対するオマージュとなっている。オールド・スクール・ブレイクビーツに、ランDMCをはじめとするサンプリング、ミックスマスター・マイクによるスクラッチ、そこに乗るのは、ここぞとばかりにマイクロフォンでロックする3MC。いままでの雑然としたサウンドとは違い、すっきりシンプルなサウンドにMCもクリアに入っているのが新鮮だ。3人が2年間をかけてNYにあるみずからのスタジオでみずからプロデュースしたトラックを、スーパー・エンジニアのケン・デュロがすっきりしたミックスで仕上げている。マントロニクスを彷佛とさせるエレクトロもあるのだが、あくまでも2004年にアップデイトされた音。古典的なヒップホップの魅力に加え、エレクトロ・サウンドのエキサイトメントもたっぷり詰まっている。リリック的には、アルバム全体のテーマであるNYへの限りない愛情、ブッシュ政権への批判など、いまの3人の心情、意識を反映したものとして強いメッセージを放っている。
bounce (C)大野 俊也
タワーレコード(2004年06月号掲載 (P64))