スウェーデン産ガレージ・ロックのトップ・バンドとして10年以上のキャリアを持ち、日本でも人気を博しているハイヴス、オリジナルとしては4年ぶりとなるメジャー移籍第1段アルバム。ルックスが良く、カリスマ性溢れるヴォーカリスト、ハウリン・ペレ・アームクヴィストのシャウトも健在な本作は、'60年代ガレージ・パンクやメロコア、初期パンクなどをミックスしたハイヴスならではのハイエナジーなロックン・ロールを目一杯カマしてくれる快心の仕上がり。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
この中に詰め込まれているのは、余計なもの一切ナシの短い曲たちが突っ走る、熱いロックンロール・アルバム!サウンドも衣装も熱さも格段にヴァージョン・アップした巨大作!ちなみに、アウトキャストのアンドレ3000もハイヴスの大ファンだとか。
タワーレコード(2009/04/08)
かのアラン・マッギーが旅先のTVで〈発見〉したスウェーデンが誇るガレージ・ロックの貴公子たち。オリジナルとしては4年ぶり、ということはつまり世界進出して初のニュー・アルバムがコレです。TVで彼らを観たアランは〈なんじゃコイツら!?〉とコップ酒を思わずこぼしたらしいが(ちょっと嘘)、それだけでこのバンドの目的はほとんど達せられたと言っていいだろう。ハイヴスに魂はない。ハイヴスはとんでもなくロックンロールな身振り、とんでもなくロックンロールなシャウト、とんでもなくロックンロールなファッションをプラモデルのように組み立てた無敵のロックンロール・ガレージ・キットなんだから。演奏後には何も残らない絶叫こそ彼らの魅力で、だからこそテクノ(・ポップ)な質感に踏み込んだ本作はまさにバンドの本領発揮といえるだろう。「セックス・ピストルズとクラフトワークの中間のような音を出したかった」とバンドは言ってるらしいが、まんまディーヴォを思わせる“Walk Idiot Walk”もあれば、ストリングスをゴージャスに〈取って付けた〉“Diabolic Scheme”なんてナンバーもあり、ルービック・キューブをガチャガチャと高速回転させるようにカラフルな断面を次々と展開していく。もはやこの期におよんで〈ガレージ・ロック〉なんて肩書きだけではカヴァーできない必殺のコマーシャリズム(もちろんとってもイイ意味で)。新しいサウンドも、新しいネクタイも同じくらいに最高だ。
bounce (C)村尾 泰郎
タワーレコード(2004年08月号掲載 (P66))
例えば、キンクスが4作目『Face To Face』で初めてステレオ録音に挑んでみたり、ザ・フーが69年の『Tommy』でコンセプチュアルな世界に踏み入ってみたり、と、ストリート臭の強いバンドも4作目あたりになってくるとそれなりの実験性が見えてくる。あからさまな変化はなくとも、メンバーの間であきらかに内なる葛藤が訪れる時期でもあり、そういう意味では、3、4作目に問題作が集中する場合が少なくない。では、スウェーデンはファルゲスタ出身のこの5人組の場合はどうだろう。ポップトーンズからのコンピレーションを含むと4作目になるわけだが、まず、今回はメジャー(インタースコープ)移籍第1弾。そのせいもあってか、音の質感がいきなり良くなっている。高低のバランスは絶妙だし、ギターとドラムとを横一線に並べたような配置による左右のレンジも格段に広がった。それに伴ってか、ややヘヴィーな感触の楽曲が増えたようにも思える。だが、最終的にはロックンロール。それ以上でもそれ以下でもない。「セックス・ピストルズとクラフトワークの中間のような音を出したかった」そうだが、実際はそんな込み入った事実はさほど感じられないし、いろいろやってみたもののやはりコレしかできなかった、というような開き直りさえ感じられる。どうやら、彼らには成長、変化のプレッシャーなどないようだ。共に白髪が増えるまで突っ走る、ということか。
bounce (C)岡村 詩野
タワーレコード(2004年08月号掲載 (P66))