USで行われた"コーチェラ・フェスティヴァル"に登場し5万人のオーディエンスを圧倒、同ステージ上でレディオヘッドのトム・ヨークに「キュアーが存在しなければ僕はミュージシャンになっていなかった」と言わしめた、ロバート・スミス率いるロック・バンド、ザ・キュアーのゲフィン移籍第1弾、通算13枚目のアルバム。スリップノットやリンプでお馴染みのロス・ロビンソンをプロデューサーに起用し、サウンド面で新機軸を打ち出すも、ロバート・スミス特有のダークな世界に覆われた傑作。 (C)RS
JMD(2010/06/14)
昨今のロック・シーンを支える最大の影響源は、スミス/モリッシーとデュラン・デュランとキュアーである。これら三者は今年相次いで新作を発表するわけだが、再評価に押されてか、モリッシーと同様にキュアーも会心のアルバムを完成。ニュー・メタル・シーンの立役者であるロス・ロビンソンがプロデュースするという顔合わせも吉と出た。ラウド、ディープ、ヘヴィー、しかもポップ。キュアーの粋を凝縮し、かつてなく力強いロバート・スミスの咆哮と、ライヴ録音らしい肉感的かつ刺々しいダイナミズムで酔わせる、本年最高のロック・アルバムの一枚だ。89年のアルバム『Disintegration』にも通ずるが、むしろ思い出されるのは80年代初頭。『Faith』のテンション、『Pornography』の濃密なカオスを、緩急を強調したポスト・オルタナ時代の感覚で鮮明に切り取ったかのよう。2004年のUKロックの主役は、新人じゃなくて40代である!
bounce (C)新谷 洋子
タワーレコード(2004年07月号掲載 (P67))