ロック・バンド、インキュバスの通算4枚目のアルバム。2003年、オリジナル・ベーシストが脱退、元ルーツのベン・ケニーが新加入し、レコーディングに2週間、ミックスに2週間というバンド史上最短で一気に制作された本作。ジャズに見られるインプロビゼーション的な部分が多く設けられ、ミスタッチなどもそのまま収録されたライヴ・レコーディングにより、生命感と人間らしさに溢れた作品となった。ブランドンのヴォーカルをじっくり聴かせる曲や、ソリッドなギター、特有のメロディー展開など従来のインキュバス節は残しつつも、エキセントリックでアヴァンギャルドな面も出した傑作!初回盤のみピクチャーレーベル仕様、日本盤のみボーナス・トラック1曲を収録。 (C)RS
JMD(2011/05/12)
前作『モーニング・ビュー』が日本でも大ヒットとなったカリフォルニア州出身のラウド・ロックバンド、インキュバスのおよそ2年ぶりとなるメジャー4作目。タイトルは『群から飛び出した一羽のカラス』。すなわちインキュバスがシーン(ミクスチャー?はたまたヘヴィーロック?)から完全に離脱し、まったく独自の方向へと進んでいることを表している。2003年7月から始まったフェスティヴァル・ツアーに参加後、プロデューサーのブレンダン・オブライエンの拠点アトランタにて、2週間という短期間で一気にレコーディング。ミスタッチなどもそのまま収録されており、これぞライヴ録音!という作品に仕上がっています。明らかに新機軸を築いた本作は、先入観をまったく捨て去って聴いていただきたい作品。
タワーレコード(2009/04/08)
5作目を数えるこのニュー・アルバム『A Crow Left Of The Murder...』にもインキュバス特有のスマートさがあって、どこからも余計な気負いを感じることはできない。だがしかし、彼らは確実に進化している。アグレッシヴな楽曲からバラードまでが並ぶ冒頭の4曲で、これまでのキャリアを一気に総まとめ。しかし、圧巻は中盤。“Beware! Criminal”“Sick, Sad, Little World”と、それぞれに曲名が与えられているのだが、保たれたテンションやテーマの統一性において長大な1曲として捉えることも可能。シンプルなベースラインにヴォーカルとギターが絡み付くインプロ系プログレッシヴ・サウンドになっていて、アルバム・タイトルが意図するところの、ある種の集団に決別を告げる楽曲となっているのだ。そして、内包する音楽要素やテクニックは他を圧倒、だがそれを〈頭デッカチ〉なものとしない。それこそ彼ら特有のスマートさなのである。
bounce (C)武山 英丈
タワーレコード(2004年03月号掲載 (P75))