フージーズは解散したのだろうか――そんな問いかけがもはや愚問であることは百も承知だが、やはりこの男が動けばその問いが脳裏をよぎってしまうのも事実。そして登場したのがこのソロ4作目だ。その幅広い音楽性同様、ジャンルの枠を越えさまざまなビッグ・ネームとの共演を果たしてきた彼なだけに今回もコラボレーションの巧みさにはやはり目を見張るものがある。先行曲“Party To Damascus”でのミッシー・エリオットをはじめ、パティ・ラベル、レッドマン、モニカ、そしてサンタナなど実に多彩で、かつ印象深いメロディーを備えた彼らしい楽曲が並ぶ。なかでもウェイン・ワンダーやエレファント・マンとの共演曲などでは、もともと本人が持っていたレゲエ趣味と最近のダンスホール人気とがマッチし、久々に無理なくメインストリームと合致した印象もある。先の〈フージーズ世代〉をも納得させられるはずの一枚だろう。
bounce (C)卯之田 吉晴
タワーレコード(2004年01,02月号掲載 (P88))
サンタナ、ミック・ジャガー、デスチャetc…ジャンルを越えた作品への客演やプロデュースなど活躍が続く、フージーズのワイクリフの新作。ミッシー・エリオットをはじめ。サンタナ、スカーフェイス、モニカ、エレファントマン、ウェイン・ワンダー等、多彩な豪華ゲストが参加。自身のルーツであるカリビアン・ミュージックのテイストも取り入れたワールド・ワイドな仕上がり。HIPHOPファンにはもちろん全音楽ファンにおすすめ。 (C)水沢貴子
タワーレコード(2003/11/05)