信奉者にとっては抗い難い魔力を持ったミステリー、一方で門外漢にとっては敷居の高い難解なシロモノ――エクストリームな表現を志向する芸術家はいやがおうでもそんな状況に巻き込まれてしまう。で、このラメルジーもまさにソレなわけで、待望な人には気絶しそうなほどに待望なラメルジーの初アルバム。音だけ聴いてアレコレ考えを巡らすのはラメルジーを聴くうえでの〈作法〉に反するのかもしれないが、むしろバックアップを務めたDJ KeNsEiとD.O.IというINDOPEPSYCHICS組の仕事ぶりに耳を傾けつつ、御大のヤリたい放題ぶりを楽しんじゃう……そんな聴き方を許してくれる、ラメルジー・ワールドへの入門盤としては最適な一枚といっていいだろう。ラメルジーのフロウはラップというよりキャプテン・ビーフハートのガラッガラのブルース表現すら連想させるものだし、DJ KeNsEiとD.O.Iが解体してしまったINDOPEPSYCHICSの〈その次〉を聴かせてくれるのも嬉しい。まあラメルジーを取り巻く霧はそう簡単に晴れることはないのだが、ギャハハ!と腹を抱えて笑いながら聴くこともできるパーティー・アルバムとしての機能もこの作品は備えており、だからこそラメルジーという〈音楽家〉のドギツさやオモロさがダイレクトに伝わってくるのだ。個人的には、楽しくて下品でズルムケでミステリアスという意味でスクリーミン・ジェイ・ホーキンスを思い出したりしました。いやー、ラメルジーってユカイな人だね!!
bounce (C)達磨 剣
タワーレコード(2003年12月号掲載 (P76))
にゃ! にゃあ~んと!!!(ワ! ワァ~オ!)! こ! これは~~!!!(イェ~ッ!)……あまりに突然のビックリ★ドッキリァに心わくわく&ドッキドキン!となってしまいました。一部の好きモノにとっては激待望!!!で、オールド・スクールなヒップホップ好き、グラフィティ好き、アート好きにとっては、映画「WILD STYLE」(祝DVD化!)の出演や、究極のBボーイ・クラシック“Beat Bop”(ジャケはあのバスキア!)でのフリーキー・ラッピングでお馴染み。そして壮大で独創的な理論である偶像破壊武装主義!?に基づいて〈文字〉を〈武器〉として使って戦い続け、〈文字のひとつひとつが自在に時空間を移動し、戦う!〉というコンセプトで立体動力化された26のアルファベット〈ザ・レター・レーサー〉を制作したり、スペース・オペラ的にさまざまなキャラクター(その数20、本人がコスプレを超えたオブジェに変身!)を創造したり、ビル・ラズウェルやスライ&ロビーの作品に参加したり、人気ブランド〈SUPREME〉でキャップやスケートボードのアートワークを手掛けたりと、常に超刺激的で!どこかミステリアスで!サイエンス・フィクションで!どこにも属さない表現&存在である!ラメルジーが、20年を超える活動で初めての音楽アルバムをリリースしてくれたのです! しかも音のサポートはINDOPEPSYCHICSの2人! ラメルジーの頭ん中の過去と未来と神話と妄想を具現化するパートナーとしては適任すぎ!なのではないでしょうか! 今作は音楽を超えた〈作品!!!〉としてもどえらい事件になりそうです。
bounce (C)松永 耕一
タワーレコード(2003年12月号掲載 (P76))