アニメとはマンガであり、マンガとは誇張であり、誇張とはユーモアであり……そんなアニメのエッセンスがすべて詰まった、とっておきの逸品がフランスから登場。そのオープニングからして最高で、舞台が開くとジョセフィン・ベイカーが色っぽいダンスを踊り、ジャンゴ・ラインハルトが神業のギター・プレイを披露する。そして、本編の 偉大なる名脇役〈ベルヴィルの三つ子〉たちによるスウィンギンなヴォーカル・ナンバーの粋なこと!
物語は戦後のフランスが舞台。ヒロインのおばあちゃんが、マフィアに誘拐された自転車選手の孫を救うため、愛犬を連れて巨大都市〈ベルヴィル〉に乗り込んでいく。極力セリフは少なめに。極限までデフォルメされた登場人物のマイムとユニークな美術が物語に動きを与えていて、最初から最後までワクワクさせられっぱなし。なかでも、年老いた三つ子とおばあちゃんが、橋の下で出会いがしらに〈セッション〉するシーンや、その4人による冷蔵庫や新聞紙を使ってのステージ・パフォーマンス。そこで繰り広げられる音楽と動画のジャム・セッションは鳥肌モノ。ちなみに、まんまジャンゴなテーマ曲“Belleville Rendez-Vous”はアカデミー賞歌曲賞、本編は長編アニメーション映画賞にそれぞれノミネート。たとえば原作/ロバート・クラム、演出/ジャック・タチによるフライシャー兄弟の長編アニメ、そんな贅沢な雰囲気にたっぷり浸れます。
bounce (C)村尾 泰郎
タワーレコード(2005年01,02月号掲載 (P131))
2003年度〈アカデミー長篇アニメ映画賞〉にもノミネートされた話題作〈ベルヴィルの三姉妹〉。フランスの新世代アニメーター、シルヴァン・ショメが5年がかりで作り上げた力作のサントラは、〈アカデミー主題歌賞〉にもノミネートされたMの“Belleville Rendez-Vous”が素晴らしい。ギターのカッティングが気持ち良いほど響き渡り、踊りたくなるように弾むリズムと一風変わった独特のアレンジが、理屈抜きに楽しい一曲。
bounce (C)広瀬 毅
タワーレコード(2004年04月号掲載 (P107))