2001年に発表した二部作『Low Level Owl』が、輸入盤のみのリリースながらほとんど口コミだけで大ヒットとなったアップルシード・キャスト。当代一のエモ・レーベル、ディープ・エルムから、アイダ、トリステザなどのポスト・ロック勢を多数擁するNYのタイガー・スタイルに移しての新作がこのアルバム。プロデューサーには前作同様、ゲット・アップ・キッズやビューティフル・ミステイクなどを手掛けてきたエド・ローズを起用。ハードコアやエモを出自としながら、レディオヘッド、モグワイ、ヨ・ラ・テンゴ、マイ・ブラディ・ヴァレンタインといったバンドのファンにも支持を受け、進化し続けてきた彼ら。激しくも切ないツイン・ギター、美しく繊細なメロディー、透明な空気感。壮大なスケールのその音は、天を舞い、どこまでも昇りつめていくかのようです。これぞまさしく〈天国に一番近いエモ〉!　本気で泣けます。いや、逝けます!
bounce (C)粟野 竜二