シベリウス:交響曲第2番 ブルックナー:アダージョ 第2番

朝比奈隆

一般的なシベリウスからはかけ離れている。油彩で骨太に奏され、両端楽章は活火山のようだ。録音も良い。

サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付」

小林研一郎

大きな起伏を作りながら、丁寧にまとめている。スケールも大きいが、もう少し燃焼してくれたらというのが正直な感想です。

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱つき」

ロヴロ・フォン・マタチッチ、他

速いテンポで何かに憑かれたように邁進する。第九の理念に向かって突き進む様はさながら阿修羅を思わせる。マタチッチ、Ｎ響、楽聖の魂が一つに合わさった稀有な瞬間がここに刻まれている。この荒ぶる魂と推進力は凄いの一語に尽きる。声楽陣はどうしても力むが熱演にふさわしいと言えないことも無い。録音は力強さと繊細さを兼ね備えて大変素晴らしい。大推薦！

ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」＜紙ジャケット仕様完全生産限定盤＞

ブルーノ・ワルター

終止格調高く清潔な歌が流れる。3,4楽章、まるで効果を狙わないが、瑞々しく推進力がある。仰ぎ見るような立派なベートーヴェン。

シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレイト」＜紙ジャケット仕様完全生産限定盤＞

ブルーノ・ワルター

冒頭ホルンの響きで一気に別世界へ連れて行かれる。弱いものの憧れや、現実を乗り越え、飛翔せんとする精神が聞こえてくる。このリマスターは成功していると思う。終楽章が殊に力強くなったようだ。