自分にとってフランクの交響曲の唯一無二の演奏である。正直なところ、あまり面白くない交響曲だと思っていた。フルトヴェングラーのこの録音を知るまでは。かつて世評の高かったカラヤンのEMI録音など、ただひたすら響きの美しさのみを追求しているように思われ、この作品へのアプローチの仕方としてどうなの?という違和感を拭えなかった。フルトヴェングラー以外では、ゲルマン的茫漠とした世界を見せるクレンペラー、心理分析的でホラー映画音楽的な様相すら見せるマルティノンの演奏が両極端ではあるが自分には好ましい。(とにかくこのCDは買います。この売り方は、マニア向けであり、新しいリスナーを生み出す可能性は低いように思われますが。)他の演奏のことばかり書いてしまったが、フルトヴェングラーのこの演奏を知らない人には一度聞いていただきたいと思う。フランクが循環形式で何を言おうとしていたのか強い説得力を持って迫ってくる演奏だと自分は思う。