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林武彦さんが書いたメンバーズレビュー
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合唱芸術の真髄を感じとることのできる一枚。とりわけ第194番でのソプラノ声部の技術力には脱帽せざるを得ない。猪突猛進的な第176番冒頭合唱にも舌を巻く。比較的落ち着いたテンポで進みながらも、時折スパイスを効かせるブランデンブルクが聴けるのも嬉しい。ただ、ホルトンが歌うアリアは安定感を欠くのが少々残念。とは言っても、全体を統一する生気に満ちた演奏は、本シリーズの中においても特に完成度が高い一枚と言える。
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傑作カンタータ第4番、20年ぶりとなった再録音は隅々まで徹底したアプローチを施し、旧盤以上に快活と瞑想を見事に表現した演奏となった。第66番は独唱に余裕がなく、やや旧盤に劣るがその分器楽すばらしい。復活祭のカンタータということで、どの曲も生気に溢れ、春の陽気のようにすがすがしい。教会の響きもほどよく乾きいていて、声楽は特に明確に聴き取ることができる。ヴァーコーのレチタティーヴォは心地がよい。
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ガーディナーのカンタータについての単純に評価はなかなか難しい。なぜならそれらは決して決定盤を意図したものではなく、むしろ日記に近いからである。だから臨場感がストレートに伝わってくるし、純粋に音楽を聴いているという感覚になる。第192番の親密なアンサンブルは室内楽のように細やかだし、第80番の壮大なフーガには圧倒させられた。万全の状態なら弦楽器の切れがもう少しあると思うのだが…。
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破格なところはないが、どの場面においても美しい響きが満ちている。有名な第51番は旧盤よりも落ち着きがあり、細やかな動きが爽快に感じる。それに何と言ってもパドモアの心揺さぶる名唱が光る。
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121番は1998年12月に次ぐ録音。旧盤に比べリズミカルな曲調で録音のせいかコンパクトな印象をうける。40番はガーディナーの特徴が最もよく出ている名演で、楽曲ごとの性格を鮮やかに描ききっている。コラール1曲1曲にまで入念な解釈が見られるため聴いていて全く飽きない。ソリストはソプラノとアルトが2人ずついるため、1曲ごとに入れ替わって歌っている。
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万全の録音ではないのかもしれないが、素晴らしい演奏だ。75番や39番での合唱と器楽のバランスは絶妙で、非常にリズミカルでドラマティックに感じられる。アリアはどれも美しいが、テノールのアグニューの自由度の高い歌唱が印象的。なお、30番はリヒター盤とは違いトランペットとティンパニーを使用していない。
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聖霊降臨節の録音は1999年4月に次ぐ2度目のものとなるが、旧盤の均整のとれた堂々とした構成感とは違い、新盤は軽快そのものである。合唱のアーティキュレーションは多彩。オケもアイディアに満ちていて聴いていて楽しい。テノールのゲンツは旧盤に引き続いての登場だけに安定度は高い。意外なのはシュトゥッツマンとガーディナーの組み合わせだ。一種独特の世界を展開している。
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