米国の低予算映画の帝王、ロジャー・コーマンの半生を綴った、映画界におけるサヴァイヴァル的知識が詰め込まれた本の文庫版。面白いだけでなく、実践的(?)な知識が身につくが、これができるのはコーマンの超人的なビジネスと現場対応のスキルがあってこそ。下手に真似しようとするとヤケドする。何かに取り憑かれたように映画を作り続けたコーマンだが、その中には良い作品もどちらかと言えば悪い作品も無難な作品もある。だが、100ドルすらも損をしなかったというのは、本当に凄い事だ。偉大な才能に賛辞を送りたい。これを読んだ者の中にきっと第2のコーマンが現れるはず。刮目して待ちたい。