
マーラー: 交響曲第1番「巨人」(1990年ライヴ)<2024年マスタリング><タワーレコード限定> / クラウス・テンシュテット、他
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テンシュテットの残したマーラーのデジタル録音の中では、CSOとの1番はライヴ音源ながら元々音質が良く、従来のEMI盤でも充分熱狂はできた。また、この録音のみエソテリックからリマスターSACDがすでに発売されており、そちらの音も良かった。今回の藤田リマスターは音の鋭さよりも滑らかさと分離感を大事にした仕上がり。シャープさや帯域バランス、音場感重視のオーディオ的快楽ならエソテリック盤、音楽的快楽ならタワレコ盤という感じだろうか。いずれにしても、空前絶後、一期一会の超凄演が望みうる最良の音で残されたことに感謝するしかない。シカゴ響の金管の驚異的な上手さに仰け反ること必至。ファンが聴きたいこの金管をとても丁寧にマスタリングして下さった様に感じた。
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とびすけさんが書いたメンバーズレビュー
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先代2ndVnのアクセル・シャハーは目立たないが個人的には好きなヴァイオリニストだっただけに、交代してしまいどうなるのか不安があった。テレビで放映されたエベーヌQとのメンデルスゾーン八重奏曲では最終楽章で突撃しようとするベルチャ様を新メンバーのカン・スヨンが笑顔でなだめるような場面もあり(「しょうがないなあ、もう」という感じだったのかも)、まあ、しばらくかかるかなとも思えた。本盤のドビュッシーはスヨンの柔らかさが出た感じで、ベルチャQとしては結構ソフトな演奏。今までのベルチャ様と一緒に突撃しながら微妙に手綱を引いて微修正するシャハーのやり方ならもっとシャープな演奏になったようにも思う。シマノフスキの2曲は旧メンバーの最終形態。素晴らしい。やっぱり個人的には、聴き慣れたこの硬質感が好きだ。ベルチャQのこのハードさが今後和らぐのであれば残念。
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リヒテルの「知られざるライブ盤」はこれまでも無数に出てきて、どれほど散財したか分からないが、これは演奏内容、音質ともに見事なもので、入念なマスタリングによって全盛期のリヒテルの凄さが存分に堪能できる一枚になっている。私はCDで聴いているが、フォーマットの枠を一杯に使った感じのマスタリングがオーディオ的にも不足感を感じさせず快適。演奏は4曲とも凄いが、特に27番と28番の打鍵のすさまじさには驚くほかない。ファン必聴!
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バイロン・ジャニスを初めて聴く人には文句なしでお勧め。しかし、従来のウィルマ・コザートによるリマスター盤CDのボックスセットを聴いていた人がブルーレイオーディオによる高音質化を求めて買うと、肩すかし感を感じるかも知れません。コザートとロバート・ファインの息子であるトーマス・ファインがリマスターを担当した本セットは帯域バランスがフラットになり解像度は上がっているものの、マーキュリーならではの中低域のド迫力は後退。現代的な音調になっています。モスクワで1962年に録られた歴史的なプロコフィエフとリストの協奏曲集はオケと指揮者の凄さも相まって、この高解像度・フラットバランスのハイレゾリマスターの良さが出ているとも思いますので、損をしたわけではなく、もう一つの聴き方が出来たという感じでしょうか。
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Disk1はDisk2より僅か2-3年後の録音であるにも関わらず、黎明期のデジタル録音技術は日進月歩だったのだろう。2枚を聴き比べると金管の音色は随分良くなっているし、弦の滑らかさもワーグナーらしい豊麗さがでている。バランスエンジニアの交代も大きいのかも知れない。このワーグナーのSACDリマスターでは、オリジナルマスターにもともとあったであろうこうした録音の差異がはっきり聴き取れる(昔のEMIのCDでは違いを感じなかった)。シューマンの2枚組ではアナログ末期とデジタル初期で明らかに質が違うはずのマスターの音を意識的に揃える方向でリマスタリングしているように感じたが、この2枚組では割と簡単に違いが分かる。総じて、低音のつぶれがほぐれてダイナミックレンジが広がったことによってカラヤンともショルティとも違う、良い意味で人間臭いテンシュテット流ワーグナーが浮き出てきた感じ。特にDisk1はEMI録音の良い面である音色の暖かみを感じ、聴いていてホッコリする。
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テンシュテットBPOの懐かしい盤。テンシュテットの演奏の特徴とも言われた低音のグチャッと潰れた感じは、BPOでもLPOでもEMI録音には共通しているが、LPO-LiveやSWD盤ではあまり顕著ではない。このSACDを聴くと、当時のEMIのCDマスタリングが限られたダイナミックレンジの中にパワフルな演奏を押し込めたために後天的に出来上がった部分も大きいのだと言うことが分かる。最新のアップコンバートでダイナミックレンジの軛を外してやることで、従来潰れていた低弦の激しい運動性が見えてきた。私のお気に入りの「ライン」の低弦はかなり良くなった。ラインとコンチェルトシュトゥックはアナログ録音なので改善幅はさらに大きくとれたのかも知れないが、LPOとのマーラーほどの劇的変化は敢えて施さず、デジタル初期の「イタリア」と音色的な整合性をもたせるようにまとめた感じがする。
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中学生の頃に初めて聴いて、心を鷲掴みにされた思い出の名演。以後40年、東芝のLP、第一家電のスーパーアナログ盤、EMIのCD、2トラ38原盤CD、SACDと同じ演奏をこれでもかと言うくらい繰り返し手に入れて、我ながら呆れるしかないが、これはもう「パブロフの犬」であり、刷り込まれた恍惚を繰り返したいという動物学的行動なのだと思う。タワレコにとっては私はネギを背負った鴨だ。このリマスターSACDは解像度の高いプレーヤーとアンプで家が吹っ飛ぶくらいのボリュームで聴きたい。ミュンシュの命の灯が燃え尽きる寸前におきた大爆発を藤田氏がこれでもかと言うくらい執拗に深掘りリマスタリングしている。これまで聴いた多くの同演異盤のなかでトップクラスのクレージーさ。最高!!
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テンシュテットの残したマーラーのデジタル録音の中では、CSOとの1番はライヴ音源ながら元々音質が良く、従来のEMI盤でも充分熱狂はできた。また、この録音のみエソテリックからリマスターSACDがすでに発売されており、そちらの音も良かった。今回の藤田リマスターは音の鋭さよりも滑らかさと分離感を大事にした仕上がり。シャープさや帯域バランス、音場感重視のオーディオ的快楽ならエソテリック盤、音楽的快楽ならタワレコ盤という感じだろうか。いずれにしても、空前絶後、一期一会の超凄演が望みうる最良の音で残されたことに感謝するしかない。シカゴ響の金管の驚異的な上手さに仰け反ること必至。ファンが聴きたいこの金管をとても丁寧にマスタリングして下さった様に感じた。
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テンシュテットファンとして、マーラーの一連の録音で最も残念に思っていたのが、この大地の歌と8番。EMIの正規盤は録音当時の技術の限界なのか、狭いダイナミックレンジの中に音が押し込められて細部が潰れ、声がオケに埋没。正直、聴くに堪えない音だった。当時はアビーロードスタジオとEMI classicsを呪った。 なので、藤田リマスターに求めていたのは、SACDのいわゆる「良い音」ではなく、潰れていた音たちを広い器に盛りつけ直して、分離良く響かせてもらうこと。テンシュテットが表現したかった大地の歌の全貌を聴かせてもらうこと。それを、藤田さんは見事にやりきって下さった。ほんとうに感謝しかない。 解き放たれた音が表現していたのは、耽美的な「告別」ではなく、リアルな苦しみが感じられる血を吐くような「告別」だった。マーラーの苦しみ、テンシュテットの苦しみが赤裸々に表出される。万人に勧められる演奏では無いかも知れないけれど、個人的には究極の表現だと思う。
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長年の愛聴盤で演奏内容が凄まじいことは分かりきっているだけに、従来のデジタル初期のEMI盤特有の中低音の混濁や弦の堅さ、ダイナミックレンジの狭さ(要するに音が悪い)は本当に残念だった。タワレコSACDでアナログ時代のテンシュテット録音が藤田マジックで驚異的に変わったのを体験してしまっているため、「あの盤はどどうなるのか、けどデジタル初期だし」と期待と不安を抱きながらの試聴。 これは美しい!従来盤の中低音の団子感は大幅に減少し、一音毎の分離が別物というくらい良くなった。特に第二楽章の混沌とした響きが見事に整理され、LPOの名手達が、余命わずかな中で完全燃焼せんとするテンシュテットにこちらも命懸けで応える様が手に取るように分かる。アダージェットは低音側・高音側とも綺麗に伸びて繋がりも滑らか。情報量不足の初期デジタル録音をハイレゾリマスターするための技術の進歩はもちろん認められるけれど、この音はマスタリングエンジニアの藤田氏の演奏への共感が創り出した部分が大きいのではなかろうか。何をいじって何を温存するかという焦点がハッキリ絞れたリマスタリングで、このリマスター盤を高いお金を払って買う側の気持ちに見事に応えてくれたと思う。藤田リマスターのテンシュテットに外れ無し。
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フェネルのマーキュリーへの数ある録音の中でもトップクラスの名録音。過渡特性の良いオーディオで聴くと、オーケストラの中に自分が投げ込まれた様なリアルさを満喫出来ます。
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外盤A級の中でも、入手最困難の1枚を復刻してくれたタワーさんに大感謝です!長岡バックロードから飛び出すスリリングな響きに、我を忘れてあっという間に聴いてしまいました。ハーモニカはフルートのようでもありオカリナのようでもあり、こんなに美しい音色の楽器だったんですね。テレマンのソナタがお薦め。亡き王女のパヴァーヌを聞きながら、長岡氏を思い涙が出ました。
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