西部劇名画テーマ集

タイトルや装丁を見る限りはライトな西部劇ファン向けのCDセットに見えるが、ところがどっこい、実はマカロニマニアに向けて作られた一品。アメリカ編は全て演奏版でほぼオマケみたいな状態だがイタリア編の選曲は素晴らしい。曲数に比べて値段も安いしマカロニマニアなら買うべきでしょう。タイトルと装丁のせいで見過ごされて埋もれてしまうのが惜しい。

Trinity Goes East (OST)

Alessandro Alessandroni

「風来坊」シリーズの現代物亜流映画であるが、音楽は完全にマカロニ・ウエスタン。アレッサンドローニが「El Puro」で聞かせた口笛のメロディーが好きな人なら絶対おすすめ。

Colpo Maestro al servizio di Sua Maesta Britannica (OST)

Francesco De Masi

黄金の七人系統ながらそこはデ・マージ、マカロニ風アレンジも忘れてはいません。4曲目のMadrid Themeは45秒と短いながらもマカロニそのもの。名コンビ、ラオールの歌も入っていて随所にデ・マージ節が垣間見えます。

La Battaglia D'inghil Terra (OST)

Francesco De Masi

日本公開タイトルは「空爆大作戦」です。映画自体は戦争アクションというよりスパイ物に近くて派手な戦闘を期待するとガッカリしますが、サントラは別。マカロニでお馴染みのいつものデ・マージ節アレンジなのでファンの方にはもちろんおすすめですが、戦争映画としてもツボを押さえた意気揚がるテーマ曲になっていてリピートしたくなります。しっとりとしたラブテーマもいい感じ。

La Battaglia Del Deserto (OST)

Bruno Nicolai

スタッフさんのレビューにもありますが、マカロニウェスタンだと言われても音楽的には全く違和感ないですね。とはいえ砂漠の中を戦車軍団が砂塵をまき上げて進んでいる光景も充分想像できる重量感のあるテーマ曲です（映画は未見ですが）。マカロニウェスタンでも軍隊の過酷な行進に使われそうな曲ですね。ちなみにジェス・フランコ監督の「女刑務所発情狂」にもこのテーマ曲が使用されています。