日本にとっては超問題児的なR+のアルバム。
『Sehnsucht』と『Mutter』という勢いの強いアルバムの次にきて、これと次の『Rosenrot』でメタル路線から少しずつ離れていくこともあり、かなり寂しくなっていく。
2005年の日本盤では収録されなかった、巻き戻すと現れる日航123便のCVRもちゃんと収録されている。
「Reise, Reise」や「Moskau」ではR+では珍しいアコーディオンを使い、「Los」でもハーモニカを使うという、楽器面でも新たな試みが取り入れられている。そもそもリーダー(?)のリヒャルトがR+と自分の演奏スタイルが合わないというスランプに陥り、不仲説が囁かれていた頃のアルバムというのもあるので、そういう抵抗なのではないかと思われる。
だが、最近のライブの十八番であるアルミン・マイヴェス事件が元ネタの「Mein Teil」や、去年のティル様のスキャンダル疑惑に対し、歌詞を変えてドイツのメディアを挑発した「Ohne dich」など、いい曲揃い。メタルに抵抗ある人は、このアルバムか次のRosenrotからゆっくり馴染んでいくといいと思います。