他のどの曲よりもB面一曲目の” James “ が忘れられない。以前 youtube でビリー自身のこの曲の作曲動機についてバッハの手法を参考にしたと告白していたが、私も最初からそれは強く感じていた。歌詞にも深い共感があり旋律と見事にマッチしていたと思う。” just the way you are ” ともに彼のハモンドオルガンの温かい響きには不思議な安らぎに導いてくれるものを感じる。10代で廃人同様の精神崩壊を経験し、その後も自分自身でも生きながら得たのが複雑な印象しかないが、少なくともショパンとバッハを主とするオルガン、ピアノ曲に生まれながらに深い愛着を抱いていた私にとって、20代でのビリーとの出会いで幾度も死を免れた事も否めない。彼の作品で涙が止まらなくなるのはこの曲だけなのだから。心から感謝している。