すでにCDで発売されている同タイトルのアナログリリース盤。
CDに収録されていた内容を見直し、新たに加えられた曲目や逆にカットされたトラックもある。
1.Oh!Crime[DUB]からCD盤のそれとは全く異なるアレンジで、すでに既出盤と趣きが大きく違う。
さらに2.土曜日の夜[DUB]も新たに収録されたテイクであり、こちらは佐藤伸治の歌唱は控えめに抑えられており、インストゥルメンタルのようなアレンジになっている。
フィッシュマンズはデモテープから、ライブまでどんな環境、編成でも同じクオリティのものはない。
その時のメンバー構成や気分がより求めるものを音にしている印象があり、そのためいつ聴いても新しい発見がある。
この再編集されたライブ盤でさえ、CDで作った印象を再度解体し、一つのまとまった作品として練り直された感がある。
アナログ盤になって、より低音(主に柏原譲のベース音)が地面を伝って腹の底までよじ昇ってくるようなうねりを伴って響いてくる。フィッシュマンズの中でもよりレゲエ色、DUB色が強く濃密な作品になっていると個人的に感じた。
180gの重量盤ということもあり音がしっかりしていて、SIDE:D「チャンス」の佐藤のコルネットが伸びやかで気持ち良い。
全体を通して、とても良い作品だと思う。