メンバーズレビュー一覧

KAZZさんが書いたメンバーズレビュー

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(全5件)

ele-king presents HIP HOP 2024-25

二木信

4:
☆☆☆☆☆
★★★★★

ele-kingより創刊されたHip-Hopのイヤーブック。表紙にはヒップホップ年刊誌とあり、毎年、発行されることが予定されている。

基本的にはUSのHip-Hopをカバーしており、年刊誌恒例の2024年ベスト・アルバム50とともに、メインストリームの概観、サブジャンルの解説、2024年最高のパンチライン、ヒップホップと大統領選、 『ヒップホップ・ジェネレーション』の著者:ジェフ・チャンのインタヴュー、海外アーティストの来日ライヴ・レポートなど、 2024年をおさらいするの十分なコンテンツとなっている。

2024年ベスト・アルバム50に関しては、たくさん聴きこんでいる人たちが選んでいることもあって、他では選ばれないような、 Xaviersobased, Mopneybagg Yo, BossMan Dlow, Iceboy Violet & Nueenなどがベスト10にはいっているのが、何ともディープ。 ベスト20までは1ページに1枚、21位以降も1ページに2枚と、きっちりとした解説が載っている。

それ以外のコラム、エッセイ、特集なども、総じてマニアックな内容であり、それなりに広くHip-Hopを聴いているつもりの自分にとっても、 とても読み応えのある、為になるものが多かった。

そんなわけで、来年以降も継続してくれることを切に願っている。

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Revenge

Muni Long

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

023, 2025と続けてGrammyを獲得し、女性R&B Singerのトップグループの1人となったMuni Longの旧名義を含むと4枚目のアルバム。フロリダ出身で2009年にPriscilla Renea 名義でデビューし、その後はSong Writerとしての活動が目立っていたが、2020年代に入り、Muni Longに改名してからの活躍は周知のとおり。
そんなわけで活動歴は十分で、年齢的にも30台半ばだが、声からは少し若い印象を受ける。
TrackはTricky Stewartが6曲の制作に携わっており、スローが多めのオーソドックスなR&Bで安定感がある。他にミディアムやアップでクラブっぽい⑧、GroRilla参加の⑨なども。
Lyricは始めて自身の経験や感情を表現しているとのことで、⑭では離婚による心の痛みを唄っている。

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Fearless Movement

Kamasi Washington

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

Kamasi Washington、オリジナルアルバムとしては6年ぶりの3作目。今回も2枚組の大作ではあるが、いつもよりは短め。スピリチュアルで壮大なJazz絵巻というベースラインは変わらないが、コロナ禍に作り始めたり、長女が生まれたりということもあって、本人はパーソナルで内省的なものになってると言っている。
またダンス(踊りたくなる)・アルバムでもあるとのこと。唄やRapが多めなDisc-1はスイートっぽくなっていて、DIsc-2は演奏中心のオプション的な位置づけのように感じられる。Disc-1は親しみやすい曲も多く、⑥では新André 3000が長めにフルートを吹いている。もちろん、Kamasiの時にはエモーショナルで、時には滔々としたソロや、おなじみThundercat, Brandon Coleman, Rtan Porter, Cameron Gravesなどによる演奏も聴きごたえ十分である。
ちなみに①のメロディーラインは日本の民謡っぽい感じたが、エチオピアを意識した作品らしい。

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Big Ideas

Remi Wolf

5:
☆☆☆☆☆
★★★★★

Remi Wolfの3年ぶり2作目。ベースは前作同様、カラフルで元気でノリの良いガールポップであるが、ディスコ、レゲエ、ファンク、インディロック、サイケ、バラードなど様々なジャンル・曲調も取り込んでいて、飽きさせない。そこは高校生以来の付き合いというJared Solomon(Solomonophonic)の制作によるところが大きそう。変わったところではEl Michel AffairのLeon Michelsも3曲で制作陣に加わっている。また、キャッチーなメロディラインも魅力の一部であり、Lyricでは日々の様々な心情を唄っている。前作に比べると、癖の強さが抜け気味で、半面、一般受けはしそうだ。

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現在活動休止中のAlabama Shakesを率いるBrittany Howardのソロ2作目。2024年春リリース時は35歳だったが、貫禄はそれ以上に感じる。骨太なギターロックがベースにはなるが、唄を聴かせるバラードも多く、ドリーミーな曲、ハウス風、プリンスっぽい曲など、予想以上に多彩で濃密な作品になっている。自宅スタジオでつくったデモをもとに仕上げたということで、サウンドはラウドでローファイな印象を受ける。BrittanyはVocalだけでなく、全曲Produceに、ギターなど楽器もこなし、マルチな才能を見せつけている。

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