
ヘッツェル 最後のセッション集(1991-92年収録)<タワーレコード限定> / ゲルハルト・ヘッツェル、他
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ブラームスのヴァイオリンソナタはきちんと弾かれた立派な演奏ではあるけれど、ヘッツェルの音に良識や節度といったものが強くにじみ出ていて、それが表現の踏み込みの物足りなさに繋がっていると私は思う。錚々たる大指揮者たちのタクトの下であれだけ全力で音楽に突っ込んでいったヘッツェルが、自らを主役としたときにこれほど慎しみ深い演奏になってしまうあたり、良くも悪くも彼が稀代の「コンサートマスター」だったということなのかもしれない。正直なところ私はこのブラームスのソナタではヴァイオリンよりもピアノにより強く惹かれる。美しい音で存分に歌い切った、素晴らしいピアノだ。 このディスクの一番の聴きものはなんと言ってもトイブルのクラリネットだろう。モーツァルトとブラームスの五重奏は絶品だ。トイブルはウィーンフィルの伝統そのもののふくよかな音色と伸びやかな節回しで二人の天才作曲家の晩年の絶唱を歌い切る。ここではヘッツェルも水を得た魚のように自在に歌ってトイブルや他のメンバーとともに素晴らしい音楽を作り上げる。これこそがウィーン・スタイルの醍醐味だ。この二曲のクラリネット五重奏曲の名演は、プリンツやウラッハの録音と並んでずっと聴き続けることになるだろう。
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煙突屋さんが書いたメンバーズレビュー
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ブラームスのヴァイオリンソナタはきちんと弾かれた立派な演奏ではあるけれど、ヘッツェルの音に良識や節度といったものが強くにじみ出ていて、それが表現の踏み込みの物足りなさに繋がっていると私は思う。錚々たる大指揮者たちのタクトの下であれだけ全力で音楽に突っ込んでいったヘッツェルが、自らを主役としたときにこれほど慎しみ深い演奏になってしまうあたり、良くも悪くも彼が稀代の「コンサートマスター」だったということなのかもしれない。正直なところ私はこのブラームスのソナタではヴァイオリンよりもピアノにより強く惹かれる。美しい音で存分に歌い切った、素晴らしいピアノだ。 このディスクの一番の聴きものはなんと言ってもトイブルのクラリネットだろう。モーツァルトとブラームスの五重奏は絶品だ。トイブルはウィーンフィルの伝統そのもののふくよかな音色と伸びやかな節回しで二人の天才作曲家の晩年の絶唱を歌い切る。ここではヘッツェルも水を得た魚のように自在に歌ってトイブルや他のメンバーとともに素晴らしい音楽を作り上げる。これこそがウィーン・スタイルの醍醐味だ。この二曲のクラリネット五重奏曲の名演は、プリンツやウラッハの録音と並んでずっと聴き続けることになるだろう。
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