この「魔笛」は日本で最初にリリースされたLPはもちろん,輸入盤CDも2種類持っており,このEpitaGraph盤を購入するつもりはなかったが,値段も手ごろだったので比較してみてもよいか,という気分で購入したのが正直なところだが,驚いた。手持ちの新しいほうの輸入盤CDはリマスター盤で音質向上が図られており,これまでそれで満足できていたのだが,EpitaGraph UHQCD盤は確かに音質のクウォリティが(私の感覚では)著しく向上しており,オーケストラの演奏部分および歌唱部分は劇的で切れ味鋭く,かつ美しいし繊細さもすばらしく,手持CDよりリアルである。従来盤よりワルターによる真の「魔笛」の宇宙に一段と深く入り込むことができ,酔いしれた。