ブルックナー: 交響曲第4番(ハース版)＜タワーレコード限定＞

朝比奈隆、他

演奏そのものは、ジァンジァン全集に収録された大フィルとの録音、東京カテドラルでの日フィルとのライブなどこの時期に朝比奈が残した「第4」の名演に勝るとも劣らぬ出来だと思いますが、いかにデッドな響きのホールとはいえこの乾き切った音はあり得ません。ノイズフィルターの利かせすぎで音が変質しています。オリジナルアナログマスターを忠実に再現？アナログテープのオーケストラ・サウンドをアナログ再生したら、絶対にこんな音はしませんよ。DSDだろうがSACDだろうがリマスタリングがダメなら何の意味もありません。失望しました。

ベートーヴェン: 交響曲全集 (特別収録曲付き)＜タワーレコード限定＞

朝比奈隆、他

企画そのものには大拍手ですが、いったい誰ですかね、この酷いリマスタリングを担当したへぼエンジニアは。高域強調の風呂場みたいな音で、響きの芯がなくなっています。まるで出来の悪いFMエアチェック。朝比奈と大フィルのベートーヴェンの音じゃないですよ、こんなのは。録音そのものはアナログ最後期の優秀録音なんですから、ずっと品位のある力強い音で再生できるはずです。リマスタリングをやり直してリリースし直して下さい。実演をきいたことのない世代のファンに、こんなのが朝比奈・大フィルの音だと思われたら悲しいですよ。

マリー・テレサ・フルノー

マリー＝テレーズ・フルノー

マリー=テレーズ・フルノーが残したわずか2枚のアルバムのひとつで、蒐集家の間では宝物として珍重されている。フルノーはサンソン・フランソワと並ぶロン門下の最後の俊秀で、不幸にも若くして引退を余儀なくされたが、普通に活躍していれば間違いなくコルトー、ロン以降のフランスを代表するピアニストとなっていただろう。ベルガマスクはうっとりするような名演。ただグリーンドアによる復刻の再生音が冴えないのが惜しまれる。

Brahms: Symphony No.4 Op.98; J.S.Bach: Suite-Ouverture No.2 BWV.1067 / Carl Schuricht, SRO, Andre Pepin

カール・シューリヒト、他

Theta

フレンチ・ピアノ・スクール ～ コンプリート・スタジ オ・レコーディングス

ヴィクトル･スタウ、他

録音が余りに少ないピアノの神様、レヴィの全録音が揃うのは快挙。日本録音やテルアビブ録音まであるとは！心配なのはAPRの復刻。担当エンジニアにもよるが加工、リマスタリング過剰で歴史的録音を台無しにしてしまう例が珍しくない。とはいえこれだけの音源を1巻で入手できるようにしたリリースというだけで天晴だが。

Lazare-Levy plays Rameau, Mozart, Franck, Mompou and Faure

ラザール・レヴィ

Beethoven: Triple Concerto; Schumann: Piano Trio No.2; etc.

ジャンヌ・ゴーティエ、他

リリースそのものの価値は星五つでも足りない快挙。ただCDマスタリングの音作りはひどい。ノイズを低減することに汲々とするあまり、あれこれいじくりまわされて音が極めて不自然に歪んでいる。これでは彼らの真価を感じ取ることは難しい。このレーベルによるINA音源のリリースは良い物も多いので、担当エンジニアによるのだろうが、よりによってこの奇跡のようなリリースが「外れ」に当たったのは痛恨の至り。