CDよりもサブスクで音楽を楽しむのが全盛の今の時代に、32枚組 のDISC (25CD+3DVD+4Blu-ray)で『Exposure』が商品化されるなんて、クラッシックの交響曲全集ならいざしらず、まるで奇蹟のようだ。もしこの手の博物館があるとしたら、この豪華ボックスセットは間違いなく歴史的作品の一つとして展示され永久保存されるだろう。前回、『Exposure』のFirst EditionとThird Editionが2枚組で出たとき、なぜSecond Editionはないのだろうと不思議に思っていたけれど、今回は25枚目のBlu-rayにそれも収録され、Fourth Edition、Fifth Edition、そしてレーベルの判断によりリリースされなかった最も初期のバージョンも含め『Exposure』はこれで全6種になった。また『Exposure』のみならず『GOD SAVE THE QUEEN / UNDER HEAVY MANNERS』『LET THE POWER HALL』『THE LEAGUE OF GENTLEMAN』の3作品も合わせて収録されているのがうれしい。若干残念だったのは『THE LEAGUE OF GENTLEMAN』のオリジナルには収録されていたJ.G.BennettのSEが今回のリマスターでは省略されていたことだが、それにしても、KING CRIMSONの『Red』から『Discipline』に至る間のFrippの音楽活動の全貌がこれで全部聴けるのはこの上なくうれしかった。