Fan The Flame Part1からNUKLEOPATRAまで約5年のブランクがあり、サウンドも「ディスコ」から「クラブ」向けに大きく変わりましたが、その間にリリースする予定だったこのアルバムを聴くと、その変化の経緯がよくわかるような気がします。私見ですが、これはダンスミュージックではない、DOAの中でも超異色な作品です。かといってチルアウトにしてはエモーショナルで妖しすぎで、寝る前に部屋を暗くしてやっと聴ける深夜専用のアルバム、という感じでしょうか。(特にインストヴァージョンの方は深夜のBGMとして重宝してます。)
スティーヴとの恋愛関係の終わりを悲しむ曲もあるそうで、ハウスをベースにしながらも全体的にメロウで繊細な曲調です。
もしこれが予定通りにリリースされていたら(あまり売れなかったとは思いますが)後々のDOAの評価は変わっていたと思います。
Hi-NRG時代のファンの方からするとやや期待外れで作りの粗さが気になる、というような声も聞きますが、90年以降のハウス時代のファンである私にとっては、彼らの知られざる側面を想像しながら丁寧に聴いていきたい大事なアルバムです。