現時点でParanoidの最高音質だと思います。
一般的に、近年のリマスター/再発は、ノイズ除去のかけすぎ
コンプレッションによる平板化、EQ の誇張(高域の持ち上げすぎ/低域の肥大)…といった処理で ディテールは見やすいけど、録音当時の「空気の層」が削がれる という状態になりがちです。
しかし このRhino Hi-Fi 盤は、
テープ本来の質感を削らないミニマルな処理、Kevin Gray の“音像の整理だけして、過剰に触らない”マスタリング哲学、180g の静かなプレスによる S/N の向上(結果として余韻が見える)
これらが合わさり、余韻・部屋鳴り・微妙なざらつきなどが“ほぼそのまま”残っている。
だから、70’sの荒々しい生々しさが残っているのに、なぜか見通しが良くて聴きやすいです。
むしろ、最近の再発盤では珍しいほど、
「素材への敬意」と「現代的な明瞭さ」が両立している」
という、絶妙な地点にあります。
“ヴィンテージの味を残しつつ現代的に聴かせる”という意味では、
現行の Paranoid では 最良 と言って差し支えない仕上がりでしょう。