All For You＜限定盤＞

Diana Krall

スモールコンボの音数少なめのジャズボーカルが好きな私にとって、ダイアナがキャリア初期にインパルスに残したこのアルバムは彼女の全作品中でも格別な完成度だと思います。このレビューでは2024年にVerveからリリースされたアナログ盤２枚組の音質とプレスの盤質について書きます。結論から言うとどちらも非常に素晴らしいです。高価なのでずいぶん悩みましたが、購入を決断したのはこれがVerveのAcoustic Soundsシリーズとして出たから。このシリーズで以前にBill Evans "Trio64"を買って大いに満足したので、今回のこの"All For You"にも期待したのです。その期待に応える結果でした。ダイアナのボーカルとピアノ、あとはギターとベースだけ。曲によっては楽器が一つだけのものもあります。CDで何度も聴いてきた作品ですが、アナログでじっくりと耳を傾けて聴くのにふさわしいものでした。