メンデルスゾーン&ブラームス: ヴァイオリン協奏曲

ジョコンダ・デ・ヴィート、他

この種のライヴとしては音質が格段に良い。特にメンデルスゾーンはかつての非正規音源盤から大幅改善で、フルトヴェングラーの指揮ぶりが細部までかなりくっきりと聴き取れて、ソリストと指揮者がそれぞれが志向する曲のイメージの微妙な違いによる緊張感みたいなものまで感じられて面白く聴ける。ブラームスのほうは、ソリストの美音とイタリアのオケらしいカンタービレな演奏に指揮者の彫りの深い造形がすべてマッチした佳演。

ミシェル・オークレール ～フランス国営放送(R.T.F)録音全集 ［6CD+DVD］＜限定盤＞

ミシェル・オークレール

音質は古さを感じさせるし、一部歪もあるけど、時代を考えると良好な部類。ディスク１でロザンタールの指揮と共演したメンデルスゾーンの協奏曲がフランスの演奏家らしい音だが、全編に気品溢れて絶品。透明で軽やかだけど、足腰のしっかりした演奏が聴き手をぐいぐい惹きつけて、この曲に新しささえ感じさせるもので、これだけでもこのボックスを聴く値打ちあり。ディスク3のサンサーンスも良い。