メンバーズレビュー一覧

武満徹の軌跡~名作セレクション1957-1995<タワーレコード限定> / 小澤征爾、他

これ1枚あれば、武満の代表曲をかなり網羅できる。一番素晴らしいのはやはり「ノヴェンバー・ステップス」。こんな緊張感のある曲はほかに聞いたことがない。そしてこの緊張感がたまらない。邦楽器と西洋楽器を溶け合わせるのではなくむしろ対比させることで生まれる緊張感と美しさ。「弦楽のためのレクイエム」しかり60年代までの武満は本当に厳しい作曲家。しかし後年はサウンドが豊かになっていく。その対比も良くわかる1枚

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スサノオさんが書いたメンバーズレビュー

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(全17件)

自ら改訂版を作るほどベートーヴェンにこだわりを持つマルケヴィッチが全身全霊を注いでつくりあげた記念碑的演奏群。特にラムルーとの5,8,9番が超弩級の名演。5番はここまで凄まじい緊張感と壮絶な迫力に貫かれた演奏をほかにしらない。8番は一般的なベト8像と全く違うが、圧倒的推進力とダイナミズムが全編を支配するこの演奏で初めてこの曲の面白さが分かった。文句なしでこの曲のベスト!第九もリズム感抜群で楽しい!

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ブラ4というと枯れたイメージがある。が、マルケヴィッチ盤はまったく違う。燃える意志を感じる、なんとも痛快激烈なブラ4の超名演。クライバーの20年以上も前にこんな表現意欲に満ちたアグレッシブな演奏があったとは!(特にティンパニの鳴りっぷりは驚異的)これに比べたらクライバーだって大人しい。少なくとも今となってはブラ4を語るうえで絶対に欠かせない演奏。ぶっちぎりで一番好きなブラ4

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モーツァルトの自称最高傑作「ピアノと木管のための五重奏曲」が素晴らしい。モーツァルトは曲によってかなり当たりハズレがあるけど、これは本当の名曲。そして演奏も本当によい。ルプーのピアノも木管もとにかくこれ以上ないほど柔らかく優しく、まるで極上の毛布に包まれてるような心地よさがある。まさに天国的美しさ!ピアノ協奏曲も爽やかな演奏です

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現実の煩わしさ、汚らわしさから一切隔絶された、狂気の人工美の小宇宙。不純物が一切ない、完璧に彫琢されたショパンは、背筋が凍るほど美しい。マズルカという選曲も絶妙で、疲れることなく聞きとおせるのが嬉しい。とにかく、ピアニストの美意識がここまで徹底されてるCDをほかにしらない。クラシックのピアノ・アルバムの中で最も大事な一枚

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史上最高のドヴォルザーク!!8番はキリッとした造形美、そしてそこから滲み出るコンセルトヘボウのあまりにも芳醇な音色がたまらない。何度聞いてもウットリしてしまう…それでいて迫力もたっぷりある。1番好きなドヴォ8。7番はブラームスを意識して妙にゴツゴツした曲で苦手だったけど、ヘボウのメロウな音が程よく中和してくれ、とても聞きやすい。こんな良い曲だったのか!アナログ末期のフィリップスの録音も芸術の域。

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今聞いても超フレッシュ!ぶっちゃけこの演奏聞いたらほかのブランデンブルクは物足りなくなってしまう・・そういう意味で超危険な演奏。この演奏の特徴は3番の2楽章や6番の1楽章に顕著な圧巻のスピード感&ビート感!さらに速いだけでなく、弦や管のニュアンスも極上!特に管楽器が大活躍する4番はもう耳の御馳走。キビキビした弦と柔らかい管が絶妙に絡み合う様は神業!持ってるクラシックCDの中でもベスト級の愛聴盤

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鬼才時代の名盤。特に2番は超のつく名演。リヒター以上の緊張感に溢れた激烈な演奏は、今聞いても実にフレッシュな生命力に満ちている。管弦楽組曲の中では(クレンペラーと並んで)最愛聴盤

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バロックの前のルネサンス音楽を好きでよく聞くんだけど、これはそのさらに前の時代のゴシック期の音楽。グレゴリオ聖歌を経て、クラシックが本格的に始まりだしたころの音楽。最初はひらすらシンプルな(お経みたいな)音楽なんだけど、時代が経つにつれ、太鼓が出てきたり、声楽も複雑になってきたりして、どんどん豊かに精妙になってく過程が良く分かる。豪華な解説も含めて呆れるほどえらい、本当の意味での名盤。

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「シンフォニア・タプカーラ」は伊福部の最高傑作として有名。日本人なら絶対聞くべき名曲。ずっと聞きたかったけど、タワレコで1000円で発売されて、とうとう聞けた。以来何度も何度も聞いてる。いかにも芥川らしいキビキビとした速い演奏で、情感豊かな2楽章もそっけなく振ってるが、かえって曲の美しさを実感できる。交響譚詩も名演。

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松村の代表曲がぎっちり詰まってる。松村はこれ一枚あれば十分。「交響曲」は日本のみならず、世界でも類を見ないような特異な曲。まさに混沌とした音の堆積。交響曲ファンは一聴の価値あり。鬱蒼とした松村の作品群の中で透明で美しい「ギリシャに寄せる2つの子守歌」は一服の清涼剤。そして阿知女。これが何といっても一番ぶっ飛んでる。土俗的リズムと呪術的な歌は一度聴いたら絶対忘れない強烈なインパクト。一度は聞くべし

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映画音楽を演奏会用に作りなおした作品。2楽章の途中から声楽が入ってからがとにかくすごい!曲のテンションが一気に上がり伊福部節全開の激烈世界へ突入!3楽章は悟りに達した釈迦を讃える堂々とした歌が感動的。初演ライブだけあって非常に熱のこもった名演。伊福部の中でもあまり知られていない曲だけど、個人的には声楽入りオケ曲の中では第九以上に大好きな一曲。リマスターされた録音も優秀です

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伊福部の初期の代表作「日本狂詩曲」は頭の血管ちぎれんばかりの熱演。終了後の観客の狂ったような熱気も凄まじい。「ラウダ・コンチェルタータ」は伊福部にとってのハルサイともいえる曲。阿部のとりつかれたような奔放でダイナミックなマリンバと、北海道の厳しい大地を思い起させるオケとの対比が鮮烈!伊福部の数あるCDの中でも「熱気」という点で空前絶後のCD。しかも1200円!

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ポゴレリチは異常なほど研ぎ澄まされた美意識の持ち主だ。こんなに美しいショパンはミケランジェリ以来。ガラス細工のように精巧で冷たく、でも確かに燃えるロマンがある。全て名演だが特に2番は超のつく名演。氷のように硬く冷たく美しい。美しいだけでなく、その氷を叩き割るような迫力も壮絶。ショパンを神経質で研ぎ澄まされた美意識の賜物と解釈するなら、このアルバムはあなたの宝になる。ショパンの中では最愛聴盤。

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選曲が抜群。伊福部の重要曲からレア曲までたっぷり味わえる。どれも日本情緒満載で日本のクラシック曲入門に文句なしでおすすめ。「日本狂詩曲」はフォンテックに熱狂的なライブ盤があるけどこっちはスタジオ録音だけあってさらに入念な仕上がり。表現がより豊かで迫力もたっぷり。個人的にはこちらの方が好き。「交響譚詩」は黛敏郎が「死ぬ前に1ページでもこんな曲がかけたら作曲家冥利につきる」と語った名曲。2楽章が泣ける

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これ1枚あれば、武満の代表曲をかなり網羅できる。一番素晴らしいのはやはり「ノヴェンバー・ステップス」。こんな緊張感のある曲はほかに聞いたことがない。そしてこの緊張感がたまらない。邦楽器と西洋楽器を溶け合わせるのではなくむしろ対比させることで生まれる緊張感と美しさ。「弦楽のためのレクイエム」しかり60年代までの武満は本当に厳しい作曲家。しかし後年はサウンドが豊かになっていく。その対比も良くわかる1枚

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マリナーがコンセルトヘボウの魅力を最大限引き出した、「惑星」史上最も美しい演奏。「金星」のひそやかな弦と木管の絡み合いの美しさ!もう絶品。こんな弱音が魅力的な惑星ほかにない。「海王星」のミステリアスな美しさも前代未聞。それでいて「火星」での迫力も壮絶。自然かつ豊かなフィリップスアナログ録音末期の録音も最高。「惑星」のファン、コンセルトヘボウのファン、オーディオファン全てに文句なしでおすすめ

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「展覧会の絵」冒頭から不吉な低音がなんともいえない。ものすごい表現力。一気に引きこまれる。どこか異様な静けさが漂う演奏。完全なテクニックでムソルグスキー(ポゴレリチ)の闇が描かれる。人がいない街に鐘がなるような重々しさと不気味さ。異様過ぎる世界。ピアノ一台でこんな世界を作れるのはポゴだけ。何かに取りつかれてるという表現がピッタリくる一枚。底なしの怖さと中毒性を併せ持っている。マジで凄い

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