テモシーダルトンまでの007のサントラは元々はLPであり、収録時間が短かった。例えば「サンダーボール作戦」などは映画の前半の音楽しか収録されてこなかった。CD化されていく中で、半分ぐらいの作品は増補収録されてきた。しかし、それがかなわなかった作品がいくつかあり、その一つが「ムーンレイカー」である。「オクトパシー」や「死ぬのは奴らだ」が完全版として発売され、満を持しての「ムーンレイカー」の登場である。
なんといってもジェームズボンドのテーマの変奏曲が多数収録されたのはよかった。映画冒頭の自由落下での戦い(これは名シーン)の時にかかっていたジェームズボンドのテーマが最初のアルバムに収録されていなかったのは大変残念だった思い出がある。ヴェニスでのボートチェイスは007らしいシークエンスで当然ジェームズボンドのテーマがかかる。また、荒野の7人を思わせるシーンでかかった曲もちゃんと録音されていたのですねぇ。
余すことなく「ムーレイカー」の音楽が詰まっています。007ファン、サントラファンは買って損なし。(あとは「ドクターノー」と「私を愛したスパイ」の完全版を望む)