チャイコフスキー: 交響曲第5番

エフゲニー・ムラヴィンスキー、他

オケの統制、スコアの読み、まさに天才。でもやけにささくれだっている。録音のせいなのかもしれないし、結局は各人の好みという問題になるのだろうけど、何だかチャイコフスキーを鞭打っているようで、もう一つ情感が欲しかった。

ベートーヴェン: 序曲「エグモント」、交響曲第6番「田園」

ヘルベルト・ケーゲル、他

虚無的というのだろうか、田園情緒などという言葉とは無縁の演奏。2楽章、ベートーヴェンが聴こうとしていた音は何だったろう？ケーゲルが聴こうとしていた音は何だったろう？エグモントの冒頭の響かせ方も含め、ケーゲルの悲しみの声がする。

シューマン:交響曲全集

ダニエル・バレンボイム

大きな造形の中で豊かな起伏を描く油彩のシューマン。時折見せるテンポの加速は師が私淑しているヴィルヘルムの演奏を思わせる。ティンパニの妙技、部厚いオケ、これぞドイツの響きと言いたい。

マーラー: 交響曲第9番

ブルーノ・ワルター、他

Dutton盤とあわせて持っていたい。生々しさを求める方にはこちらがお薦め。