メンバーズレビュー一覧

空飛ぶ赤れんがさんが書いたメンバーズレビュー

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(全9件)

エルガー:交響曲 第1番

尾高忠明、他

4:
☆☆☆☆☆
★★★★★

演奏はすばらしい。録音もいい。だが、最後の最後、満足感で終わろうとしたそのとき、驚き、失望した。フライングの拍手、そして雄叫びのような声。あれはブラボーなどとはとても呼べない。下品で、せっかくの演奏を台無しにしてしまう。
なぜ制作者は市販するにあたってこの音源を使ったのだろう。「これでいい」と思えたのだろう。不思議としか言いようがない。演奏会が1日しかないのならともかく、大阪と東京で3日行ったとある。ゲネプロもあるだろう。このプロデューサーとレーベルは要注意かもしれない。
CDとしては★をもっと減らしたいが、演奏自体はすばらしいので4つ星としておく。

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(試聴のみ)「アイネ・クライネ」の国内盤初出のLPを何度聴いただろう。セルが息を吸い込む「すーっ」という音や、楽団員が出すかさこそという音、あるいは靴が床をすべる音だろうか、そういった様々な「暗騒音」が記憶とともにあった。それがこの比類ない演奏を、いま、ここで生まれている感を与えてくれたのだが、リマスターの際に消されてしまったのだろうか。脱色されたかのようで悲しい。

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演奏・録音ともにすばらしい。往年のLPのダブルジャケットをあしらった紙の装丁もいい。ただ、「あれ?」と思ったのはジャケットに録音の日付がないこと。ブックレットを見ると、最後に「2019年1月録音、1月24日の東京オペラシティでの公演を含む」(原文英語、試訳)とある。1月中に何度か録音して、その中には1月24日のものも入っています、ということか。もう少し丁寧に書いてほしかった。

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ビゼーの交響曲はLP時代に愛聴していました。これぞフィリップス!の録音で、やわらかいのに細部は明晰、オーケストラを自宅で聞くことの楽しみを教えてくれた、そんなレコードでした。ただ、とても残念なのが、フィリップスのイメージとはほど遠いレーベルのマークがついていること。和食なのに中華の皿に盛られているような、あるいはコーヒーが湯飲み茶碗に入っているような、居心地の悪さを感じてしまいます。

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迷った末の購入でした。高価だし、以前同じ演奏のCDセットを買って失望したことがあったので。ところがスピーカーから出た音はまるで別物でした。かつて聴いていた初出時の輸入盤LPを思い出させるような、あるいはそれ以上の、鮮明で流麗で奥行きのある音に、演奏への印象まで変わりました。ベートーヴェンの交響曲というよりは、あとにも先にもない「全盛期のカラヤンとベルリン・フィル」がここにはあります。

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1300円の廉価盤LP時代から愛聴している、この曲のベスト盤の1つ。重厚さと柔らかさが両立した名演で、後年の「べとべと」「ぎらぎら」がないのもいい。ジャケットはCD時代も壮年期の指揮姿が続き、馴染んでいた。今回SACDになるというので楽しみにしていたのだが、こ、こんなジャケットとは。オリジナルというが、いくらなんでもダサすぎる。タワーレコードにはぜひ再考をお願いしたい。

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世界最古のオーケストラによる現在最新のベートーヴェン交響曲全集。重心の低い音ながら、流れは重たくならず、全体にずっしり軽い。ブロムシュテット翁、ぜんぜん年齢を感じさせません。高齢者入門の私も元気をいただきました。それにしてもゲヴァントハウス管はシャイーといい今回といい、指揮者のどアップ・ジャケ写が好きですね.

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おそろしいセットが出るものです。企画した人も企画した人なら、通した幹部も幹部。ジャケットの校閲をする人も、箱を作る人も、レコード店に運ぶ人も、ご苦労様です。1日1枚ずつ休みなく聴いてほぼ1年。「カラヤン漬け」になれる、修行のようなセットです。終えたときにどんな悟りを開いているのでしょう。豪華絢爛、豪壮華麗なカラヤンサウンドが全身にみちみちて、幸福感にあふれているのでしょうか。

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60年代から70年代、そして80年代、日本では音楽ファンや批評家たちがカラヤンだ、バーンスタインだ、いやベームだ、とわあわあやっていた時、この人はコンセルトヘボウでこれだけ良質な演奏と録音をこつこつと続けていたんですね。外面的な派手さや新味、「感動」させようという迫力こそ希薄ですが、それはスター指揮者や往年の大家に任せて、曲そのものを味わいたくなる、そんな演奏がここには刻まれています。

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