2017年発売のGS-2081と、今回発売されたたGS-2249を比較しました。前者はAAD、後者はADDと表記されています。
一聴して、ヒスノイズが聴こえなくなったこと、音の立ち上がりがよくなったこと、弦の音がややしなやかになったことが改善点としてあげられます。一方、強い音の前後にゴースト現象が起きていることが分かります。たとえば、第1楽章終結部のあとなど顕著です。さらに、全体に音が鋭くなった感じがして、私の装置では前者の方が心地よく聴けます(もっと高級な装置で聴けば、印象はかわってくるかもしれません)。
気になるのは音源です。前者では、L 80120という米国ロンドン・レーベルで発売されていたオープンリール・テープを使用と書かれているのに対し、後者は、プライベート・アーカーブのオープンリール・テープと書かれています。ということは、音源に用いたテープは異なるということですね。私としては、音源は同じで、マスタリング機器を変更したものと思っていたので、少しがっかりです。プライベート・アーカイブということは、テープの元の持主がLPレコードからダビングしたということでしょうか? だとすると、先に書いたゴースト現象も納得です。これはLPに起因しているのかもしれません。
以上、気になった点をかきましたが、平林直哉氏のLPやテープからのCD制作についてはいつも出来上がりが素晴らしく、クラシック音楽愛好家としては、感謝しております。