空気公団作品集 / 空気公団
空気公団作品集
空気公団
空気中の見えない鍵盤のように普段は気が付かないだけで、歩いたり手を仰いだりしながら自然と音符を鳴らしているのかもしれない。だから、ただ見えていないだけで、いつも何かを連れながら過ごしているかなと、そんな気持ちにさせてくれるこの作品集は、様々な場所で沢山の人が鳴らす音色を纏めたギャラリーな一冊で、こんなにも自分の身の回りは色付いているんだと気付かせてくれる価値ある一枚だと思う。
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(全7件)
アイシテル
MONKEY MAJIK
日本語で最も素敵な進行形は「愛してる」だと思う。そして、この曲の『アイシテル』というカタカナタイトルがより一層の透明感を帯びていて曲中に底知れない想いを充満させている。ピアノの和やかな音色が抱きしめるように優しく響いて、壮大に注いでいくサビへの劇的な展開が印象的なこの曲は、何があっても揺るがない本物の愛を奏でた至高の名曲である。
SENSUOUS SYNCHRONIZED SHOW
The Cornelius Group
例えば「音」という文字を表現するなら、「音」の文字の一画一画に至るまで、徹底的に組み立て直していくみたいな音楽だと思う。そして、環境や時間などあらゆる場面を取り込んでいくサウンドスケープな表現力は、その一曲一曲の可能性を無限大に膨らませていく。このライブDVDである今作の、視覚から聴覚へ焼き付けていく見事なまでの音象世界に、音は生き物だとホントに思えてくる。
愉快なピーナッツ
くるり
坦々と刻んでいく深堀りなギターの音とそれを軽めに支えるおもりのようなベース音。ゆるりとしたビートが空気と上手く混ざり合って、パーソナリティな歌詞がそのメロディに馴染んで風流さを醸し出している。そして、さらりと凪がれていく鍵盤の音が清風感を漂わせていて、その音色の抜け具合が心地良く響き渡っていく。そんなこの曲を通して、くるりの音楽に対するワビサビな姿勢を新ためて確認できたと思う。
WAO!<通常盤>
ユニコーン
あの頃よりも身軽なんじゃないのか、というくらいにコミカルなビートと、リズムに乗り乗りの弾みのあるキーワード。それと、メラメラなギターリフ。そして相変わらずの、メロなのか、サビなのか、わからないくらいに前衛的な曲の展開ぶり。15年という時間を全く感じさせないオープンな存在感と、童心的で遊び心に満ちた曲調に添いながら、ジャストな世代ではなかったけれど、今こうしてレビューを書けることを誇りに思う。
どこ<初回特典封入>
木村カエラ
寒空の下の頬に凍みる冬風みたいな伴と手とか胸とかのその部分だけを温める懐炉のようにはかなさを噛み締めていくフレ-ズ。新曲『どこ』に込められているのは、そんな回想的なメロディで、こんなにも慕わしい気持ちになるのは深みのある木村カエラのセンチメンタルな歌声にあると思う。溢れる程の想いを一言に積めた重みのある形容詞がそれぞれの心に振るえて、沢山の情景を浮かべていくこの曲は、素直な自分を見つめる曲である。
thank you
このアルバム『Thank You』は、スケール感からテクニカル性まで全曲が滑らかに連なり、心地よくバランスのとれた作品で、「turn」から「種」までの潤った物語的展開と多面体な冒険心が彼らのつくる日本の音楽のこれからを覗かせる、まさに<挨拶>な一枚。前進じゃなくてとりあえずその場でジャンプ!みたいな軽量感が清々しい「STAY」が個人的に1番のお勧め。