ブルックナー: 交響曲 第9番 / 朝比奈隆
ブルックナー: 交響曲 第9番
朝比奈隆
心身ともに衰弱し切った朝比奈の精神が乗り移った9番となった。彼のブルックナーに対する真摯な姿勢には今でも感服、脱帽するが、最後のこのCDは音楽的な老化が顕著に表出した、痛々しい記録となってしまったのである。最後の力が見え隠れする部分もあるが。
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(全10件)
マーラー: 交響曲第3番
ギンタラス・リンキャヴィチウス、他
今日の録音技術では最低レベルなのではないだろうか。フォルティシモでは混濁しているしオケの音もバランスよく収録されていない。第一楽章で拍手が起こるという名演奏でもないし、最悪なのはアルト独唱の酷さ!表情を付け過ぎてまるでオペラのアリアのように荒らげている。終演後のリズムを刻んだような終始一辺倒の拍手(約5分に及ぶ)には呆れた。これは要らない!
R.シュトラウス:英雄の生涯、ドン・ファン ティル&死と変容
ロリン・マゼール、他
このジャケットと岡本太郎氏が実筆で書いたタイトル文字(帯)そして「人間は誰もが英雄でなくてはならない・・・」とコメントまで寄せていましたね。録音も今でも通用する最高の音質、マゼールさんの巧みな棒さばきで現代的なシュトラウスを描いてくれました。ただ心配なのがLPと旧CD化された音響、音質に大きな違いがあるようです。果たして今回の復刻は?
Lil' Abner/Broadway Bouquet
Percy Faith
前者は1956年のモノラル。後者は1965年のステレオにもかかわらず、後者はモノ再生になってしまっている。どうしてこのような復刻にしたのか、全く理解できない。コレクターブルズが故意に合わせたとしたら劣悪である。この美しい「ブロードウェイ・ブーケ」を聴くなら、6年前にリリースされたコロムビアのCDを聴くべきだ。名作「カントリー・ブーケ」とのカップリングで音質も原音通りのステレオ盤だ!
Mahler: Symphony no 3; Hoeller: Der Ewige Tag / Bychkov
Bychkov, Semyon/Cologne West German Radio Chorus/Bychkov, Semyon/Cologne West German Radio Symphony 、他
堂々とした、壮大なスケール感を味わえる演奏。同レーベルで先行発売されたMTトーマス盤と比較しても、音楽性の違いは、やはりヨーロッパのオケによる重厚さがものを言い、私はこのビシュコフに軍配を上げたい。ややもたれた演奏だが、それがかえってマーラーの音楽をストレートに感じ取れるのである。しかし、このレーベルは録音に問題あり。ハイトーンがきつく、フォルティッシモにおける響の浅さは、やはり煩い。
Mahler : Symphony no 6 / Szell, Cleveland Orch
ソニーのレギュラー盤に比べ、オケはオン・マイク気味にとらえられて、生々しさは抜群。アンサンブルもこの盤の方が整っているようで、セルの「第6番」を聴きたければ、この盤がお薦めである。
Mahler: Symphony no 3, Kindertotenlieder / Tilson Thomas
マイケル・ティルソン・トーマス
2000年、PMFでのラストコンサートで聴いた「第3番」は大変素晴らしく、感動的であった。その期待をこの新譜に託して購入したが、残念な結果に終わった。音楽に瑞々しさが全くなく、響きも浅く、表面的に鳴り響く。アルトの深刻ぶった太い声もいただけない。これは録音にも原因がある。重心が浅く、細部に拘り過ぎた録音が如何にも人工的。PMFで受けた大きな感動は、ここには全くない。残念だ。
マーラー:交響曲第1、9番 / マリス ヤンソンス指揮、オスロ フィルハーモニック
グスタフ・マーラー
第1番はいささか薄味だが、第9番は結構聴き応えがある。第1楽章の訴えは、苦しみ抜いた人間の生き様をリアルに描いており、その表現の生々しさには鳥肌が立つ。第2、3楽章における分裂型の輪郭はあまりむき出しにはせず、抑制を効かせた演奏だが、音楽に全く遜色を与えていないのはさすがである。終楽章は再びこの上ない苦しみ、絶望、そして死の世界を完璧に描き切っており、我々を深遠なる暗黒の淵へと陥れてしまう。
ショスターコーヴィチ:歌劇「カテリーナ・イズマイロヴァ」全4幕 映画版
コンスタンティン・シーモノフ
待望のDVD化である。オリジナルのオペラ版と比較して、幾分常識的な再現になっているが、映画としての完成度は高い。それにしても、ヴィシネフィスカヤの感情をむき出しにした演技は凄い!必見である。唯、残念なことに壮絶なラストシーンでサウンドトラックの音声が大揺れに揺れてしまっており、不快感が残ってしまった。技術的なピッチの修復は不可能だったのだろうか?
Respighi : Fontane di Roma, I pinidi Roma, Festeromane / Svetlanov, Russian National SO
エフゲニー・スヴェトラーノフ
マニアの間から「凄すぎる!」の賛辞の声が高かったので購入してはみたものの、見事裏切られた。演奏も録音も今となってはやはり楽しめない。救いは「祭」の表現が如何にもロシア的で泥臭く、しかも十分荒れ狂っていて、今日の他の指揮者からは聞かれない凄味が感じられた。