(全18件)
R=コルサコフ: 交響組曲《シェエラザード》、ボロディン: 中央アジアの草原にて、バラキレフ: イスラメイ
ワレリー・ゲルギエフ、他
ゲルギエフの録音の中でも、最も注目したい録音がこれ。なんて濃厚で、ヒューミッドな音色! 大人のエロティシズムさえ感じさせる演奏だ。来日公演で、ほぼ同じプログラムを聴くことができたが、メンバーが、本当に自発的に楽しげに演奏しているのには感心した。楽員一人一人にまで、ゲルギエフの魔力が浸透しているからこそ可能な演奏なのかもしれない。『シエラザード』のこれ以上の録音はもはや出現しないのではないだろうか!
サン=サーンス:交響曲第3番≪オルガン付き≫/フランク:交響曲 ニ短調<限定盤>
エルネスト・アンセルメ
アンセルメの残した録音の中でも代表的な1枚。スイス・ロマンドの明るく、原色調の音色、サン・サーンスの終楽章の大迫力のオルガンは、こたえられない魅力。デッカの録音もきわめて優秀。同じ頃に録音された、思索的なミュンシュの『オルガン付き』と聴き比べてみるのも楽しいかもしれない。
Beethoven : Symphony nr. 9 / Berger , Furtwangler & BPO etc
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
1937年ライヴ。第1楽章冒頭は、ゆっくりしたテンポで整然と始まる。ほかの『第9』に比べ、ややこじんまりした、大人しい感じの録音だが、ティンパニやコントラバスの力強さなど、この録音ならではの良さもる。特に、第4楽章『行進曲風に』の後半や、終結のオーケストラルはなかなかアクロバティックで、すばらしい。廃盤になりやすく、再発売されないので、ファンの方は手に入るうちに購入すべき。
ベートーヴェン:交響曲第9番二短調op.
1937年ライヴ。第1楽章冒頭は、ゆっくりしたテンポで整然と始まる。ほかの『第9』に比べ、ややこじんまりした、大人しい感じの録音だが、ティンパニやコントラバスの力強さなど、この録音ならではの良さもる。特に、第4楽章『行進曲風に』の後半や、終結のオーケストラルはなかなかアクロバティックで、すばらしい。廃盤になりやすく、再発売されないので、ファンの方は手に入るうちに購入すべき!
Mahler: Symphony no 2 / Klemperer, Vincent, Ferrier et al
オットー・クレンペラー
クレンペラーの『復活』の録音といえば、フィルハーモニア管弦楽団とのスタジオ録音が有名である。しかし、クレンペラーが残した『復活』のうち、もっとも激しく、感動的なものは、このコンセルトヘボーとのライヴ盤ではないだろうか? 第1楽章から、ゴツゴツと荒々しい音楽が展開するが、終楽章では、クレンペラーのうなり声も聞こえ、壮大なクライマックスを体験することができる。
Mahler: Symphony No 8
Stokowski, Leopold/Philharmonic Symphony Orchestra、他
ヒストリック・ファン必聴の『千人』! ワルターも、クレンペラーも、メンゲルベルクも、『千人』の録音は残さなかった。そんな欲求不満を満足させるのがこのストコフスキー盤。ストコフスキーはマーラー指揮による『千人』の初演を聴いたらしい。大胆なテンポの変化、突出する金管楽器、しなやかな弦など、どことなくメンゲルベルクを彷彿とさせるふんいきがある。上級のヒストリック・ファン向き。
バーンスタイン/マーラー交響曲全集<限定盤・10枚組>
レナード・バーンスタイン
バーンスタインといえばマーラー、マーラーといえばバーンスタイン! バーンスタインによるマーラーで、第1、3、4、7、9番がVPOとの組み合わせで聴けるのは、この映像のみ。特に、第3番と第9番は、マーラー・ファン、バーンスタイン・ファンともに必聴だろう。マーラーの音楽に没入して指揮するバーンスタインの指揮姿も必見! 10枚組32000円はかなりの出費だが、全集として購入する価値はあると思う。
モーツァルト: フルートとハープのための協奏曲, クラリネット協奏曲
ジャン=ピエール・ランパル、他
何度も繰り返し復刻されている名盤。独特な暖かい音色と典雅さは、現代のオーケストラやソリストではまず表現できないと思う。強いていうなら、昔の家の『応接間』といった感じ。まさに60`S(シクスティーズ)! 裕次郎の映画のセットや小道具が懐かしい感じを抱かせるのと同じで、初めて聴いても、この音に強いノスタルジーを感じる人は少なくないはず。
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番(大フーガ付) 5つの4声フーガK405 モーツァルト:(J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻から)アダージョとフーガK546
ハーゲン弦楽四重奏団
この団体を聴いて、弦楽四重奏の概念が根本から変わったという人も少なくないのではないか。現代楽器を用いているが、ノン・ヴィヴラート、強いアクセント、リズムの強調など、オリジナル楽器の演奏法も取り入れているのではないかと思わせる、きわめてユニークな演奏。ベートーヴェンは、その鋭い切り口と、芸術的な感性が相まって、独特の魅力を生み出す。『大フーガ』での精緻なアンサンブルと集中力もものスゴイ!
J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV244
カール・エルプ
すすり泣きの聞こえるこの録音のすばらしさは、すでに多くの批評が書かれているので、今更語る必要はないかもしれない。しかし、『マタイ』が、あまりに巨大で、これまで聴く勇気がなかったという人、ぜひこの録音を聴いてみてほしい。救いようのないほどの悲しみと不安をたたえた演奏によって、キリストというひとりの人間の死、そのドラマにどんどん引き込まれ、その場に立ち会うような深い感動を覚えるのではないだろうか。
ブルックナー:交響曲第3番ニ短調「ワーグナー」
カール・ベーム
とってもマッチョなベームのブルックナー! ちょっと意外だが、ベームはブルックナーの録音が少ない。ベームのブルックナーは、現在では珍しい、何とも筋肉質で、パンチの強い演奏だ。特に、この第3番のフィナーレでは、そのマッシヴなパワーが炸裂し、実にすばらしい効果を上げている。廃盤になりやすいので、見つけたら即買いだ。
Bach : St Matthew Passion / Mengelberg, ACO
ウィレム・メンゲルベルク
ベートーヴェン~ヴァインガルトナー編「ハンマークラヴィーア」(管弦楽版) 他《ヴァインガルトナー大全集Vol.24》
フェリックス・ワインガルトナー
巨大なフーガを持つ『ハンマー・クラヴィーア・ソナタ』を、オーケストラ用に編曲をした録音。演奏自体や編曲の技術にはそれほど魅力はないが、過去の遺産として、懐古主義的!に楽しんでほしい。ワインガルトナー作曲の歌曲も収録!
Le Belle Immagine - Mozart, Gluck, Myslivecek / Magdalane Kozena(Ms), Michel Swierczewski(cond), Prague Philharmonia
プラハ・フィルハーモニー管弦楽団、他
このアルバムの最大の魅力は、ミスリヴェチェクのアリアが、コジェナーの美しく、パワーのある声で聴けることだ。ミスリヴェチェク(1737-1781)はモーツァルトとも親交のあったチェコの作曲家。しっかりした構成と、当時としてはドラマティックな展開を備えた、すぐれた作品を残している。このアルバムをきっかけに、我が国でもミスリヴェチェクの真価が再発見されることを期待したい。
シューマン:交響曲第1番変ロ長調「春」
クレンペラーのシューマン、大好きですね。特に、マイナーな第2番! フィナーレが、誰の演奏よりも大らかで、壮大で、『救い』みたいなのを感じさせてくれるんですよね。今の世の中は、『癒し』なんかが注目されますが、悩んで、苦しんで、という人には、『癒し』なんかより、こういう『救い』みたいなものが必要な気がします。僕自身、思春期の感情の激しい年頃に、この録音を聞いて、どんなに救われたかしれません。
シューマン:交響曲 第1番「春」 第2番
オットー・クレンペラー、他
マ-ラ-:交響曲第2番ハ短調「復活」
グスタフ・マーラー、他
クレンペラーの『復活』の録音といえば、フィルハーモニア管弦楽団とのスタジオ録音が有名。しかし、クレンペラーが残した『復活』のうち、もっとも激しく、感動的なものは、このコンセルトヘボーとのライヴ盤ではないだろうか? 第1楽章から、ゴツゴツと荒々しい音楽が展開するが、終楽章では、クレンペラーのうなり声も聞こえ、壮大なクライマックスを体験することができる。
Bruckner: Symphony No.1
ヴァーツラフ・ノイマン、他
ノイマン&ゲヴァントハウスという、ちょっと珍しい組み合わせのブルックナー。しかも、第1番。聴いてみると、ハッとするような美しい瞬間に満ちた、すばらしい演奏。ブルックナーの作品の中では、メランコリックな第1番という選択がノイマンにはピッタリ合ったのかも。アバド&VPOの名演にも通じるものが。
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