メンバーズレビュー一覧

ベートーヴェン: 「コリオラン」序曲、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」、交響曲第7番 / ハンス・クナッパーツブッシュ、他

鮮明な音質、空気感も伝える再現に驚く。今年半年に聴いた中では最上位に位置するディスクの登場だ。クナッパーツブッシュ独特の間合い、質朴そのもののフレージング等この演奏を聴ける喜びにしみじみ浸ることができる。おすすめ。

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KYさんが書いたメンバーズレビュー

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(全9件)

冒頭の大伽藍が姿を現した際、過去のどのCDからも感じ取れなかった量塊に圧倒された。録音技師のブルック―を捉えるセンスが素晴らしいと思う。約80分、ヴァントのような剛構造ではなく、クナッパーツブッシュ的な柔構造で聴きやすい。5番を堅苦しいと感じていた方は一度耳にされると良い。

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2013年の演奏を聴く。極微から極大までの圧倒的な音響空間に一挙に引き込まれる。若い頃に初めて聴いた時は統一と崩壊の重層するモチーフに唖然としたことを記憶している。ギーレンは克明に楽曲を掘り起こすことにより、余裕を持って管弦楽を鳴らし切るという指揮振りだ。会場で聴いたら声も出ない程の感銘を受けただろう。一聴の価値あり。

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鮮明な音質、空気感も伝える再現に驚く。今年半年に聴いた中では最上位に位置するディスクの登場だ。クナッパーツブッシュ独特の間合い、質朴そのもののフレージング等この演奏を聴ける喜びにしみじみ浸ることができる。おすすめ。

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久し振りに聴き、それから数日経つがいまだに頭の中でこの演奏が鳴っている。何だろうか、この生々しさは? 身体的な有機性とでも呼ぶほかない楽曲の解釈が聴くものの琴線を強く刺激するのだ(簡単に言うと脳がすこぶる喜んでいる)。身体性を伴って臨在しているような感覚を覚える演奏はクナッパーツブッシュを置いて他にない。優れたSACD化がリアルな臨在感に湧泉のような印象を与え至福の時間をもたらす。

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第1番を聴く。この人特有の語り口が随所に聴かれ、それが歌唱での「こぶし」のように思えます。往年の巨匠のようにテンポが遅くなることなく、むしろ禁欲的に躍動的なリズム感を表出させた演奏です。演奏の細部に於いても、様々なニュアンスが詰まっていることが聴き取れ、熟成された音楽が展開されています。流石という他ない演奏となっています。

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この人間への大きな贈り物のような作品の素晴らしい演奏に接した喜びを久し振りに感じた。これを聴くとベートーヴェンは人間への大きな励ましを与えてくれると思う。日頃は日常の些事に心を悩ましているが、この作品の宇宙的な境地からみれば何程のこともない。謙虚に透き通るような人間相互の呼び掛けがこの演奏からは聴こえ、何物にも代えがたい。

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クナの音楽はまるで身体の隅々にまで血液が行き渡るかのように、楽曲の理念の成長と衰退と死が聴く者にまざまざと現前する。と言って、その表現は枯淡とも感じられるもので大言壮語からは程遠く、表現の背後には伝統に培われた精神が見え隠れする。こうした特徴はメンゲルベルクにも感じられるが、クナ程、生命的な気息を感じさせる指揮者はついぞ聴いたことがない。現代の指揮者には見い出すことのできない唯一無二のものだ。

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当日の演奏を聞き、最初のマイスタージンガーからオケの柔らかい響きと懐の深い呼吸感に魅了されました。この解釈に近いのはやはりクナッパーツブッシュ、ミュンヘンフィルの演奏と思いました。そして第8。本当に素晴らしい。いたるところにクナのブル8で聴かれたニュアンスがリフレッシュされよみがえります。アマオケ+αでこれほどの達成をみせているのにプロオケは何をしているのかな?今年一番の演奏会でした。

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曲への思い入れの深さを感じさせる演奏です。特に1楽章での抉り出すような表現はこれまでこの曲を聴いていて感じたことのないものでした。またオーケストラの音色は決して美しいとは言い難いのですが、まるで旧東独のオケのように響きが暗く曲想にマッチしていると思われました。60年代の空気感をパッケージにしてそのまま届けてくれたような感じました。

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