(全7件)
海洋地形学の物語<完全生産限定盤>
Yes
聴き手を力ずくで非日常へ引っ張り込み、後はアイデアのてんこ盛りで最後まで聴かせてしまうのは天晴れ。親しみやすいメロディと開放感のある音で曲の長さが気にならない。とにかく冒険小説を読んでいるかのようなワクワク感が味わえる。大作は伊達ではなく、それだけの満足感は得られます。星五つでも足りないくらい好き。
究極<完全生産限定盤>
出だしに驚かされるがこの曲が異質なのであって、全体のイメージは上品でエレガント。楽曲のアレンジもすっきりと洗練され、長い試行錯誤を遂に終えたという感じ。ただ、メンバー同士の我の通し合いから来る妙な緊張感が好きだった自分は、この穏やかな調和に一抹の寂しさを感じてしまう。内容は素晴らしいのに、その完成度の高さゆえに、あまり聴く気になれない作品です。
トレスパス(侵入) [SACD Hybrid+DVD]
Genesis
霧がかる英国の田園風景かビクトリア朝時代の挿絵か。そんな少女趣味を暗いものにしているのはこの濁った歌声で、SACDではそれが更に生々しく強調されている。二作目にして楽曲の完成度は既に高い。ガブリエル在籍時の作品の中では後に見られる演劇的な要素が少ない分、自分はこれをお勧めする。悲壮感漂う歌声に哀愁漂うギターが絡まり、胸が痛くなるような世界が展開しています。
Live At Queens Park Rangers Stadium
陰気で気難しい。曲や声が好きでもアンダーソンのルックスには良い印象を抱いていなかった。でもこれを見て、こんなに優しげで可愛らしい人だったのかと、いっぺんにファンになった経緯がある。メンバー全員が白いコスチュームで、五月の夕刻らしい清楚さが漂う。「リレイヤー」のお披露目ライブのことで収録曲の激しいパフォーマンスも見ごたえがあるけれど、やはり終盤のアコースティック演奏がしっとりと素敵。
リレイヤー<完全生産限定盤>
「錯乱の扉」ほどスタイリッシュな曲はなく、個人的にはイエスの中で最高だと認めても、最後まで聴き通すことが難しいのは中盤あたりから始まる楽器音のぶちまけが日常のストレスでヨレヨレになっている身にはこたえるからです。ただ終盤「スーン」でのアンダーソンの歌いっぷりは、歌い手として魅力ここに極まれりといった申し分無いもの。ここだけを聴いても物足りないと言えばそうですけどね。
Olias of Sunhillow
Jon Anderson
音楽で綴るアンダーソンのおとぎ話。レコジャケは見開きで、世にも美しい絵本になっていた。内容は彼の十八番の牧歌調の歌曲と、東洋風の味付けがされた瞑想的なインスト。イエスの延長線と評価されていたけれど、ロック色を抜いたイエスという感じ。閉ざされたジョン・アンダーソンの王国で、彼の世界に心酔している人なら宝物になりそう。しかしそうでない人には何やら意味不明で眠気を誘うかも知れません。
ファースト・アルバム
珠玉の、という言葉が似合いそう。小品が並ぶためか地味な印象を受けるけれど、ボーナストラックも含めて全曲が原石の輝きを放つ。どんな曲でもアンダーソンが歌うと清らかで崇高な空気を帯びるから不思議です。全盛期の大作は肩に力を入れて聴いてしまうけれど、この作品は卓上の安物のプレーヤーから流れていても違和感が無い。その意味では今の若い人にも素直に受け入れられそうな気がする。
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