ブラームス: 交響曲全集

クルト・ザンデルリング、他

ゆったりとしたテンポで進む、内容は奇をてらわない演奏を枯淡の域に至らせた渋くそして美しいもの。第一は外向的な面を、第四は内向的な面をそれぞれしっかりはっきりと持たせつつ、渋く鈍くそして輝く音色と響きで、一音一音を踏みしめるように噛みしめるようにしかし音の流れは水が山から海へと流れるように、どこにも音符の連なりに逆らうことなく流れていきます。私にとって傑作、生涯の演奏記録です。

フランク:交響曲 ニ短調 ワーグナー:≪トリスタンとイゾルデ≫第1幕への前奏曲 ≪タンホイザー≫序曲＜タワーレコード限定＞

ジョン・バルビローリ、他

初CD化されたものを愛聴しています。バルビローリの愛とチェコフィルの心が出会った名作と思います。
今作は音質がかなり改善されました。高域は鋭いほど伸びますが、柔らかさも再現されています。旧作にあった低域の膨らみは自然な感覚に抑えられています。意外とチェコフィルは癖の少ない音をしていたのかもしれません。もう少し中域を聴きたかった感もありますが、それでもチェコフィルの個性は生きています。