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トップ > 【タワレコ渋谷店独占インタビュー:serph】

掲載: 2011年06月09日 08:00

更新: 2011年06月13日 17:51

文/  渋谷店販促

 「音楽の持つ力」みたいなものを一人でも多くの音楽ファンに共有したい。

 

大袈裟かもしれませんが、『Serph』というアーティストをタワレコ渋谷店で紹介することで

僕はそういう気持ちを強く抱くようになりました。

 

 

約1年間タワレコ渋谷店をあげてプッシュし続けてきた東京在住の男性によるプロジェクトSerph』

 

DE DE MOUSE×nujabes」「エレクトロニカの最新型」のような形で店頭では紹介していますが、

実際じっくり聴いてみるとそういう紹介コトバを超え「Serph』Serph』でしかないな。」と

思ったかたも少なくないと思います。

 

 

今年4月に発売した最新作3rdアルバム「heartstrings」は、

渋谷店のみで早くも1000枚のセールスを記録しました。

この度、渋谷店の1000枚セールスを節目に、

改めてSerph』というアーティストを

タワレコ渋谷店の独占インタビューと合わせてご紹介します。

 

 

【驚異の電子音楽家、Serph』とは】

今でこそ知る人ぞ知る存在ですが、「vent」発売当初は、一部の音楽ファン以外を除いて

ほぼ無名といってもおかしくない知名度で、メジャーのアーティストのような

プロモーションもしている訳でもありませんでした。

 

 

エレクトロニカ/テクノ/現代音楽/ヒップホップ/映画音楽など様々な音楽を

まるでおとぎ話というキャンパスの中で融合させたような音楽性。

それを音楽ライターの岡村詩野さんが前作「vent」の紹介で

「ドリームポップミュージック」と称していましたが、まさにぼくもそう思います。

 

 

2010年7月に発売された2ndアルバム「vent」は驚異的なロングセラーを続け、

ついに渋谷店の2010年総合チャートでMr.Children、Bump OF Chickenに続き

第3位のセールスを記録しました。

 

インストゥルメンタルな音楽だけれど、既成の歌もの音楽よりも歌心のあるメロディーと

世界観の楽曲=「ドリームポップミュージック」が、

これほど多くの音楽ファンの心をつかんだのではないかと思います。

 

 

 

ここで、簡単にSerphの作品を紹介します。

 

 

これまで寓話的な独自の世界感は保ちつつも、アルバムごとに

ある種の統一感のある方向性(物語)がある作品を発表しています。

楽曲制作を始めてわずか3年で作り上げた1stアルバム『accidental tourist』(2009年)では

デトロイトテクノやフュージョン的な要素のある方向性。

 

2010年のタワー渋谷店の総合年間チャートで第3位という驚異的なセールスを記録した

前作「vent」(2010年)ではスウィンギンでジャジーな要素のある方向性。

 

そして、「vent」から約9ヶ月という期間で今年4月にリリースされた最新作「Heartstrings」では

ストリングスをはじめ、あらゆる楽器を使用し、よりポップによりメランコリックに、

奥行きのある祝祭感のある方向性。

 

待望の最新作「Heartstrings」は、前作を上回る勢いで空前の大ヒットを記録し、

渋谷店のみで既に1000枚以上の売上を記録しています。

 

 

音楽と同等にSerphの世界観と抜群の相性を魅せる河野愛さんによる

アートワーク(2nd3rdを担当)も秀逸です。

その他には「vent」発売後、平井堅のカップリング・ベストアルバム

『裏歌バカ』(初回限定盤)でRemixで参加。

日本の良質レーベルPROGRESSIVE FORMのコンピレーション

Forma.3.10』に未発表曲を提供しています。

 

 

 

 

 

Serph独占インタビュー】

このインタビューはメール形式で2011年5月に行いました。

 

 

インタビュー:

はじめまして。この度はインタビューにご協力いただき、本当にありがとうございます。

Serphさんのファンを代表して質問させていただきます。よろしくお願いします。

 

ーまず前作「vent」がタワー渋谷店や新宿店を中心に大ヒットして、

ご自身の音楽が多くの人に聴かれるようになったということについてどのように思いますか?

 

制作を続けてきた結果として、とても嬉しく、有難く思います。

 

ーまたそれによって、制作をする上での心境の変化のようなものはあったのでしょうか?

 

やりがいを強く感じるようになりました。

 

ー以前cinra.netのインタビューでご自身の制作に対するコメントで

「音楽的な、精神的な飢餓感を満たすために曲をつくっている」という風に言われていましたが、

ぼくが思うにSerphがこれだけ多くの人から支持されるようになったというのは、

今のリスナー側にも同じような音楽的な精神的な飢餓感があったのではないかと思います。

商業主義の音楽に対する疲れや嫌悪感のようなものがあって、それに対抗する

純粋で美しく豊かな音楽に対するあこがれのような気持ち。

それが、純粋なファンタジーの冒険のような世界を通して語られるSerphの音楽が

多くの人に支持された理由ではないかと勝手に思いました。

新作「heartstrings」は本当に感動しました。コトバではなかなか表しづらいとは思いますが、

ご自身が今作を制作する時に考えたことや、込めた想いのようなもの、

もしくは重視したものがあれば教えてください。

 

考えているのは、どのように最初から最後まで飽きない曲にできるか、

なるべく型にはめずにうまくまとめられるかというような事です。

DIY精神で、必要なものを作る気持ち、遊び心を持った制作を心がけています。

 

Serphさんの中で、ファンタジーとはどういうイメージでしょうか。

 

現実と幻想の境界は不安定で、変えられるものだという感覚があります。

自分の意志や行動の結果が、寓意を持ったメッセージとして世界から伝えられる、

現実ほどファンタジックなところはないと思うときもあります。

 

ー今後の制作などでなにか考えていることがあれば教えてください。

 

特にありません。

 

ー最近注目していること、音楽でも何かあれば教えてください。

 

「Swedish House Mafia」、「Georgia Anne Muldrow」、「Jimmy Edgar」

「Klaus Schulze」、「Clapz II Dogz」に最近注目しています。

 

ー最後に、リスナーの方になにかメッセージがあればお願いします。

 

少しでも良い作品を皆様に届けられれば幸いです。

 

ーご協力ありがとうございました。

 

~『Serph』セレクト 心に響くディスク~

タワレコ渋谷店では、電子音楽家Serph』氏の音楽性を読み解くきっかけとして、

Serph』氏協力のもと「Serph』セレクト 心に響くディスク」と題した試聴企画を設置しています。

(以下はSerph』氏セレクトの10枚と一言コメントです。)

 

~Serphセレクト 心に響くディスク~
artist/title コメント              
Blockhead / Music By Cavelight サンプリング音楽の可能性と美しさをかつて教えてくれた一枚。      
Caribou / Start Breaking My Heart 制作を始めるきっかけにもなった素晴らしいアルバムです。    
Calm / Moonage Electric Ensemble CDがすり切れるまで聴いていました。        
Innerzone Orchestra /Programmed カテゴリーを超えた名曲ぞろいだと思います。 ※現廃盤      
Chilly Gozales / Ivory Tower 素直に楽しめるポップでダンサブルな音楽。        
Dimlite / This Is Embracing モチベーションがいつも上がります。すごくアイデアに満ちあふれています。※現廃盤  
Erast / Goodair + Minimissing 美しいメロディー、暖かい音色、お勧めです。        
Steve Reich & Various Artists / Reich: Remixed 2006 自分の音楽の聴き方を永遠に変えてしまったリミックス集の再発。※現廃盤  
James Holden / The Idiots Are Winning ライブ感溢れる、スリリングでポップなダンスミュージック。    
Prefuse73 / Extinguished 衝撃的な格好良さのSuite for the Way Things。      

 

インタビュー、文:タワーレコード渋谷店 清水真広

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