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オレらの夏フェス復習帳 2010

座談会――7月31日(土) その1

連載
ライヴ&イベントレポ
公開
2010/08/25   18:02
テキスト
構成・文/編集部、座談会参加者/岡村詩野、加藤直子、土田真弓

 

red marquee
RED MARQUEE Photo by 宇宙大使☆スター

 

土田「では、2日目ですが」

加藤「何から観たかな。ヴァト・ネグロだ。まさかのマーズ・ヴォルタ」

土田「マーズ・ヴォルタのうち、3人いたんだよね。すごかった。格好良かった」

岡村「だけど、残念ながら知られていませんでしたね。オマーがいると知ったらもっと集まったんだろうけど。私たちもその日の朝に知ったんですよね」

加藤「ラッキーでしたよね。それ聞いてなかったら、私、たぶん行かなかった」

岡村「もっと多くの人に観てほしかったですね」

加藤「いちばん前まで楽に行けましたもん。オマーを肉眼で観たくて」

岡村「オマー、格好良かったですね。彼の音楽性の神髄が出ていました。やたらと日本語が上手くなってたのもおもしろかった」

土田「ってことは、3人とも最初は同じアクトを観てたんですね」

岡村「そうですね。あと、向かう道すがら、ジョン・バトラー・トリオもちょこっとだけ観ましたよ。手堅く良かったです。ああいうバンドはもっと出たほうがいいと思いますね。オーソドックスなブルース・ロックとか、ロックンロール的なものを根っこに持っている人たちって、大きなステージでちゃんと聴かせられる人たちなので、今年はもう少しそういうアクトが出演してても良かったかなっていう気がします」

土田「その後は?」

加藤「THEATRE BROOKに行っちゃいましたね。〈FIELD OF HEAVEN〉でピザを食べに」

土田「私もご飯買いに〈HEAVEN〉に行ったんだけど、気温は高いし音も熱いしで涼みたくなって、すぐ移動しちゃいました」

岡村「私はこの時間、涼しいモリアーティに行きました。いい感じでしたね。ご飯食べながら観て、その後はキティ・デイジー&ルイスですね。盛り上がってましたよね。人もいっぱいで」

土田「観た人、みんな〈良い〉って言ってましたね」

岡村「ホント良かったですよ。ロカビリーとかブルースとかR&Bとかカントリーとか――完全ルーツ志向の、しかもまだ20歳そこそこの兄弟バンドで、ステージではお父さん、お母さんもいっしょで。一見楽しい家族みたいな感じなんだけど、めちゃめちゃ高度な技術とすごいマニアックな音楽性で」

加藤「みんな、いろんな楽器やってね。〈何時代だろう?〉みたいなトリップした気分になる音楽を徹底してやってるっていう。全然モダンにもなってないし、まんまっていう感じで」

岡村「それがホント良くて。途中でジャマイカから来たシンガーが飛び入りしてレゲエっぽい曲を2曲ぐらいやって。たぶん次のアルバムでそういう曲が入ってくるんじゃないかな。キティちゃんは今回のベスト・アクトのひとつですね」

土田「次は?」

加藤「ストレイテナーを全部観て、次にトロンボーン・ショーティ&オーリーンズ・アヴェニューを観ました。すっごい格好良かった。トロイのあの上腕二等筋がね」

岡村「男前でしょ。しかもまだ24歳とかなんですよね。10代の頃から活動していて芸歴があって」

加藤「もう貫禄ある感じで。あたりまえなんですけど、トロンボーンもめちゃくちゃ上手くて、すごい肺活量なんですよ。それに驚いたし、歌もめっちゃスウィートでとろけるような感じで」

岡村「コンテンポラリーのR&Bで」

加藤「ニューオーリンズのバンドっていう感じの。こういうバンドは〈フジロック〉には必要」

土田「合いますよね」

岡村「ルーツ色の強いバンドは、特に〈HEAVEN〉とか〈ORANGE COURT〉とか奥のほうのステージでは合うんですよね。あのへんを根城にしている、常駐しているファンがいるじゃないですか。そういう人たちには、この流れは良かったんじゃないですか」

加藤「そうですよね。ホントは最後まで観たかったんだけど、1時間で切り上げてラ・ルーダに行きました。彼らはこの日の夜中のGAN-BANブースでもミニ・ライヴをやっていて、すごい楽しかったんですよ。誰もフランス語わからないのに、一貫してフランス語でMCを通してるし、曲前に速射砲みたいに何かををまくし立てるんですけど、それでなんかすごいアガって。まあ〈トレビアン〉くらいしかわかんない」

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