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HAIIRO DE ROSSI

連載
NEW OPUSコラム
公開
2012/07/04   00:00
ソース
bounce 345号(2012年6月25日発行号)
テキスト
文/一ノ木裕之


しばしのお別れもこの新作で……



この春メンバーに名を連ねるHOOLIGANZのアルバムがリリースされ、ますます精力的に動くと思われた矢先、健康上の理由で活動休止を余儀なくされたHAIIRO DE ROSSI a.k.a. Rossi-N-Dee。その空白と無念を埋めるべく、病に倒れる前に完成していた4 枚目の新作『BLUE MOON』がお目見えした。これはグループで行動を共にするTAKUMA THE GREATの最新作『THE SON OF THE SON』に続き、自身が主宰するレーベル=forteから発表となるもの。エクゼクティヴ・プロデューサーのATOM(SUIKA)の助力も奏功したか、起伏に富んだトラック群にバランス良くみずからの全体像を映し、マイクの好調ぶりを窺わせる。KGE THE SHADOWMENのフリーキーかつファニーなラップとメタファー豊かに渡り合うHIMUKI製“CUZ I'M JAZZY”や、敬意を寄せる面々の名を読み込みつつ自身の確信を堅実なラップに変える“Underground Anthem”、さらには〈心の闇解き放て〉と反骨に火を点ける“KILLER TUNE”に、その真逆の穏やかな表情が覗く“ESPRESSO”??現場復帰には少々時間がかかりそうだが、その道のりを本作が明るく照らすはずだ。



▼関連盤を紹介。

左から、HAIIRO DE ROSSIの2011年作『forte』、HOOLIGANZの2012年作『S.K.I.L.L.Z.』、TAKUMA THE GREATの2012年作『THE SON OF THE SON』(すべてforte)