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POPGROUP

連載
Discographic
公開
2012/04/04   17:58
更新
2012/04/04   17:58
ソース
bounce 342号 (2012年3月25日発行)
テキスト
文/一ノ木裕之

 

〈ポップグループ〉とはいえマーク・スチュアートのアレじゃなくて、ワンワードですから!——なんてエクスキューズはもはや不要ですか。DJ BAKUをはじめエッジーなアーティストの作品を続々と発表。主催の恒例フェスも年々スケールを増して、ますます目が離せないレーベル・POPGROUPの作品をこちらでドバッと紹介します!

 

レーベルの初作を飾って以来、中心アーティストとしてリリースを重ねてきたのはDJ BAKU。その彼を評して、かつてレーベル・オーナーの坂井田裕紀がいみじくも語ってくれた〈ヒップホップ以前にパンクなアーティスト〉という言葉は、このレーベル全体のカラーとも響き合う。POPGROUPはそもそも、DJ BAKUとアーティストたち/その周辺カルチャーとの交流を5年もの間カメラで追ったドキュメンタリーDVD「KAIKOO/邂逅」に端を発している。これを監督したのが他ならぬ坂井田であり、その完成を待って同時にスタートさせたのがPOPGROUP Recordingsだ。2005年の同作を皮切りに、まさに「KAIKOO/邂逅」を地で行く形でDJ  BAKUと、彼に近いアーティストを手はじめにリリースを展開。GOTH-TRADやRUMIをはじめ、YAS-KAZ、oak、徳澤青弦、BLACK GANIONなどを擁した初期のキャパシティーは、いちクラブ・ミュージックに特化しないレーベル・カラーとして近年ますます広がりを見せている。それは、POPGROUP本体と同じく2005年以来、年を重ねるごとに都市型音楽フェスとして認知を高めてきた主催イヴェント〈KAIKOO〉の大型化とも歩を合わせるものと言えるだろう。さらに、レーベルのラインナップに名を連ねていくメンツは、SKYFISHに環ROY、そしてABNORMALSやあらかじめ決められた恋人たちへ、DJ BAKUを中心としたHYBRID DHARMA BAND、新しく仲間入りしたBEYONDSやQomolangma Tomatoといったバンド勢——キャリアを問わないアーティストの混交ぶりも、POPGROUPらしさの一端を彩っている。

メジャーとアンダーグラウンドを橋渡し、海外と壁のない音楽活動へ向けた環境作りを促すことにこそレーベルの主眼があるとPOPGROUPは説明する。万単位の観客を集めてもなお、〈KAIKOO〉がめざす先にアジアのプラットホームたる音楽フェスの確立があるように、レーベルの趣旨たる環境作りもようやく目鼻が付いてきた。それを究極の目標に終わらせないため、今後もカタログは続く。

 

▼関連盤を紹介。

POPGROUP音源から成る2010年のミックスCD『POPMIX Vol.1 Mixed by DJ KEN-ONE』(POPGROUP)

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