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連載/コラム

BO NINGENのサイケデリック見世物小屋(第8回)

連載: 皿えもん

掲載: 2012年02月20日 19:58

更新: 2012年02月20日 19:58

文/Kohhei(BO NINGEN)



アーティストが各テーマに沿ったお皿(CD)を紹介する連載! 海外では日本の音楽がどう捉えられているのかを、イギリス在住のBO NINGENの視点でお届けします。今月の担当は、ギターのKohhei!!



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[ 今月の一枚 ] HIGH RISE 『Live』 P.S.F.



(すべての)音に、そして音楽に(〈ない〉ということも含めて)色彩があるように、
当然それらに内包されるモノであるサイケデリックも固有の/多様な色彩を持つ。

一般的に欧米ではいまだにサイケデリック/Psychedelicというと、
60年代サイケのようにVividな、色のストリームである、という認識が根強い。

僕自身、アートスクール時代に経験したことであるが、
〈サイケデリック〉をテーマにポスターを作るという課題で
白黒のミニマルな線画を提出したところ、
(純朴、純粋な芸術家志向であった僕には)耐えがたいほどの無理解/無視/異物視にさらされ、
挙句の果てに〈(英語で)これはサイケデリックではない、もっと! 色を使わないと!〉という評をいただいた。
彼らにとってサイケ/Psycheとはジミ・ヘンドリックスであり、クリームであり、60年代であり、
つまり、HIGH RISEではなかったのである。

南条麻人と成田宗広を中心に結成されたHIGH RISEは、
従来の欧米サイケ・ロックのクリシェを焼き切れるほどに加速/拡大させ、
息の詰まるような漆黒と閃光のサイケデリックに到達した。

東洋の島国という、いわば欧米ロックの外側における情報の遅延と誤解を武器に、
成田宗弘の異常なスピード感のギターが、
時間の静止のなかで無限に続く南条麻人のベース・リフと遠い声が、
そして歴代の異能ドラマーの重く速いビートが、
既存の欧米ロック/ジャズのフォームに無理矢理突っ込まれた〈日本のサイケデリック・ロック〉。

これは、そのエッセンスが危険なほどの音量と、
荒く生々しい、録音機材の鼓膜が破れたかのような音質で落とし込まれた
傑作ライヴ・アルバムである。
(プログレ好きはキング・クリムゾンの『Earthbound』を、
最近のジャパニーズ・ロック好きはゆらゆら帝国の
『な・ま・し・び・れ・な・ま・め・ま・い』を連想するであろう手触り)。


▼文中に登場した作品


PROFILE/BO NINGEN



Taigen(ヴォーカル/ベース)、Kohhei(ギター/エコー/ファズ)、Yuki(ギター/エコー/ファズ)、Mon-chan(ドラムス/ポールダンス)から成る、ロンドン在住の日本人男性4人組バンド。2009年、UKのストールンから限定EP『Koroshitai Kimochi』でデビュー。2011年末にニューEP『Henkan/Jinsei Ichido Kiri』(Stolen/Knew Noise)をリリースした彼らは約1か月に及ぶジャパン・ツアーを終え、現在はふたたびロンドンにて次なるステップを画策中? そんな彼らのスケジュールについては、こちらのサイトをご覧ください。

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