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第52回――モータウン、西へ

LA生まれの名作たち

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2011/05/25   00:00
ソース
bounce 332号 (2011年5月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/林 剛、出嶌孝次


VARIOUS ARTISTS 『Our Lives Are Shaped By What We Love: Motown's Mowest Story 1971-1973』 Light In The Attic/MAGNUM CAT

謎多きモーウェストの内実を紐解く編集盤。ニュー・ページや西の隠れた要人であるスージー・イケダのモダン&メロウ名曲群を収め、軽快にして芳醇な泣き踊りムードが全体を柔らかく包み込んでいる。一方では素朴なメランコリーを歌い綴るロディのようなブルーアイド勢も充実しているので、70年代特有の黒白混合ヤング・ソウル好きは全員必聴! *出嶌

 

SISTERS LOVE 『With Love』 Reel Music

シングルのみで消えた女性ヴォーカル・グループだが、実は72年にリリース予定だった未発表アルバムがある。それが、あのカーティス・メイフィールド曲カヴァー“Give Me Your Love”などを追加してCD化されたこちら。ハル・デイヴィスやウィリー・ハッチらによるファンキーなサウンド上で教会仕込みのディープでエネルギッシュな歌声が炸裂する、モーウェスト随一と言っていい黒さに痺れるばかりだ。 *林

 

THE JACKSON 5 『Get It Together』 Motown(1973)

新しいモータウン像を体現すべく送り出されたJ5の作品は、西海岸の敏腕たちが流行のモードを具現化する場でもあった。特にマイケル変声後の諸作は乾いたファンクネスと適度な甘さのマッチングが絶妙で、レア・アース版も著名な“Hum Along And Dance”などの長尺サイケ・ソウルは、いかにも当時のLA産らしいグルーヴィーな味わい。その一方、表題曲や“Dancing Machine”のノリはディスコ時代の到来も予見させる。 *出嶌

 

FRANKIE VALLI & THE FOUR SEASONS 『The Motown Years』 Hip-O Select

名門白人クァルテットがモーウェストに残した『Chameleon』(72年)と、リードのフランキー・ヴァリによるモータウン原盤のソロ作『Inside You』(75年)をカップリング+αした編集盤。旧知のボブ・ゴーディオらを制作陣に迎えて彼ら流のポップ・マナーを貫きつつフォーキーな味わいを加えた前者はモーウェストの真骨頂か。ウィリー・ハッチらを起用した後者にもその作法は受け継がれている。 *林

 

WILLIE HUTCH 『Fully Exposed』 Motown/Soul Brother(1973)

ウィリー・ハッチがモーウェストの楽曲に裏方関与していたのは、RCA時代からの仕事仲間であるマーク・ゴードンが同レーベルのボスになったからだろう。そのハッチがニュー・ソウル的なムードでLAモータウンのファンキー&メロウな作法を提示したのが、モータウンからの2作目となるこれ。ジャクソン5やフィフス・ディメンションに提供したナンバーなどを男気溢れる歌で披露した熱血ソウル盤だ。 *林

 

SYREETA 『Syreeta』 MoWest/ユニバーサル(1972)

後に元モーウェスト仲間のGC・キャメロンとデュエット盤も吹き込む女性シンガーのファースト・アルバム。当時夫婦関係にあったスティーヴィ・ワンダーとの共同制作盤で、同年にスティーヴィーも自作で披露している“I Love Every Little Thing About You”など、実験精神旺盛だった頃のスティーヴィーらしいアブストラクトなシンセ・サウンドとシリータの明るくキュートな歌声の合体は実に刺激的だ。 *林

 

SMOKEY ROBINSON 『The Solo Albums: Volume 1』 Hip-O Select

ミラクルズ時代から西海岸録音を行っていたスモーキー。彼のソロ初期作『Smokey』(73年)と『Pure Smokey』(74年)を2 in 1 収録した本盤で聴けるソフト・ロック的なサウンドは、モーウェストの残り香とでも言うべきものだ。特にウィリー・ハッチと共同制作した前者は、レア・アースに所属するロック・バンドのXITからメンバーを招いた“Just My Soul Responding”など、西のモータウンならではの雑食性がある。 *林

 

COMMODORES 『Machine Gun』 Motown(1974)

閉鎖直前のモーウェストにシングル“Don't You Be Worried”(上掲のコンピに収録)を残していた6人組のファースト・アルバム。この後に台頭するライオネル・リッチーの見せ場はまだ少ないものの、ライトなファンク感覚を若々しく漲らせたナンバーの数々はバンド本来のバランスを示すかのよう。スポーティーなインストの表題曲やブレイクビーツの定番となる“The Assembly Line”は、この時代ならではの楽しさ全開だ。 *出嶌

 

DIANA ROSS 『Touch Me In The Morning』 Motown(1973)

ベリー・ゴーディJrが抱くハリウッド進出の野望を背負った彼女も、70年代は必然的にLA録音が急増。なかでもマイケル・マッサーの出世作となった表題曲を含む本作は、ジーン・ペイジやディーク・リチャーズら西の精鋭が宝石のような歌声をエレガントに支えた名盤だ。一方ではジョン・レノンやマーヴィン・ゲイをセルフ・プロデュースで取り上げるなど、時代の空気を吸収したダイアナ自身の勘の良さも窺える。 *出嶌



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